日経の防潮堤記事

日本経済新聞の1月7日朝刊に、気仙沼市唐桑の鮪立港の写真。キャプションには〈防潮堤を想定した高さに設置された網〉との説明が。新年早々の日経が8段2分の1という大きなスペースを使って防潮堤問題をとりあげていました。

日経 防潮堤
2014年1月7日付け日本経済新聞記事の一部イメージ(クリックで拡大)

記事は、津波被害を受けた沿岸部で、防潮堤の建設を巡り明暗が分かれつつあるという内容です。見出しには、〈宮城「巨大すぎ」住民反発〉〈岩手 低く抑えて着々〉とあります。ネットで配信された記事を以下に引用します。

日本経済新聞1月7日配信記事

「 宮城県気仙沼市東部の唐桑半島にある鮪立(しびたち)地区では、高さ9.9メートルの県の防潮堤建設が計画されている。住民らは「巨大な堤防が建設されれば、漁船が港に着けにくくなり漁業の衰退を招く」と心配し、2013年12月、5メートルへの引き下げを要望。震災前の最高津波高が約4メートルだったと自ら調べ、地区住民の7割超となる400人以上の署名も集めた。

 だが県は「個別の要望には応じられない」と回答。「住民の声が無視されている。計画をのむわけにはいかない」。住民らは計画への反発を強め、両者の毎月の協議も平行線で決着がみえない。

 宮城県では約280地区で防潮堤整備が計画されるが、着工率は約4割。特に漁港を抱える地区では、全体の約55%が高さや位置などを巡って住民の同意を得られないため、詳細設計にも入れない。

 村井嘉浩知事は再三「県民の命を守る」と安全性を強調、防潮堤の高さにこだわってきた。それがかえって工事の遅れにもつながるジレンマとなっている。

 一方、岩手県は住民の要望を受け、全135カ所のうち20カ所で当初計画より堤防高を低くした。その結果、全地区で住民同意を終え、着工率も約62%。既に21カ所の防潮堤が完成した。大槌町など一部で「まだ高すぎる」という住民も残るが、達増拓也知事は「話し合って計画を変更するのはあり得る」と、さらなる引き下げも示唆する。

 東京電力福島第1原発の事故の影響に悩む福島県。防潮堤計画のある71地区の着工率は約42%にとどまる。双葉町や大熊町、富岡町の一部など原発に近い地域で、事前調査を終えていない場所も残り、工事計画の全体像を描き切れていない。

 各県とも、政府が復興事業の予算枠を確保する15年度末までの防潮堤完成を目指すが、宮城や福島の担当者からは「このままでは目標期限内の完成が危うい」と焦りの声も漏れる。住民合意などを乗り越えても、建築資材の高騰などが工事そのものへの足かせとなる可能性も消えない。

 紅谷昇平・神戸大特命准教授(都市防災)は「防潮堤の必要規模は『何を守りたいか』によって変わる」と指摘。「防潮堤は、あくまで地域の安全と安心を守る手段のひとつ。災害リスクと地域の利益を考え、住民自身が納得できる選択が最善だ」と話している。 」

引用は以上です。12月後半には、ほかの新聞でも同様の報道がなされていましたが、全国版の日経での大きな記事ということで紹介しました。

このほか、気仙沼の内湾地区防潮堤について、県が防潮堤上に1mのフラップゲート(防潮扉)を設置する方針を市などに伝えていたことを1月10日の河北新報が伝えています。しかし、〈地元が要望する堤高とはまだ開きがあり、調整には時間がかかりそうだ〉とのこと。

日経の記事を読んで、岩手県達増拓也知事と宮城県村井嘉浩知事の対応の違いを、今あらためて感じています。

河北新報1月10日配信記事
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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

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