なにをまもるのか

震災から2年9カ月を迎えた12月11日、産経新聞が巨大防潮堤に関する記事を掲載しています。見出しは「東日本大震災2年9カ月 高すぎる防潮堤、何を守るのか」。

産経新聞図
2013年12月12日産経新聞配信記事より

記事では、気仙沼市唐桑の鮪立(しびたち)と小鯖(こさば)の2地区の話を紹介しています。12日に産経新聞が配信しましたので、全文を引用させていただきます。

◎東日本大震災2年9カ月 高すぎる防潮堤、何を守るのか

「 東日本大震災の発生から11日で2年9カ月を迎えた。被害の最大の原因となった津波を防ぐ防潮堤の整備や計画が進むが、「あり方」をめぐり議論が起こっている。「高すぎる」「津波が見えない」「景観を損なう」「誰もいないのに、なぜ必要か」。一方で、住民の命を守るために防潮堤は必要だとの意見もある。ぶつかり合う主張のはざまで模索が続く。

 11日夕、宮城県気仙沼市役所。市の半島部にある鮪立(しびたち)地区の人々が菅原茂市長と向かい合った。「防潮堤をめぐって地域の要望と県の計画に隔たりがある。後押しをお願いしたい」。自治会の下部組織、まちづくり委員会の鈴木伸太郎委員長(70)が訴えた。

 地区で県が計画する防潮堤は、高さ9.9m、長さ約540m、底辺の幅約60m。その上を2車線の道路が走る。自治会とまちづくり委は今月2日、防潮堤の高さを半分の5mとし、早期建設を求める要望書を村井嘉浩知事へ提出した。要望書には、住民566人の71%に当たる405人の賛同署名が集まった。

 浜では16人が津波の犠牲になった。鈴木さんはこの日、地区に建てられた慰霊碑に手を合わせてから、市役所へおもむいた。

 「防潮堤が不要なわけではない。でも、小さな浜に高さ10mの高速道路のような防潮堤ができると、自然環境や景観、生活の利便性、漁港の利便性…。さまざまなものが損なわれる。これからも海と生きていく浜にとって逆効果になる」

 今月4日、東京・永田町の自民党本部。被災地を何度も訪れている安倍晋三首相の昭恵夫人(51)が党環境部会へ招かれ、「行政に声が届かないところで反対意見がたくさんある」と防潮堤整備の見直しを求めた。「反対運動をするつもりはないが、巨額の税金を使う以上、必要がないところはやめればいい」

 翌5日には、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が「(防潮堤の)計画を知ったとき、問題があると思った。もっと緑があっていい」と同調。昭恵夫人の発言には、「地元の声を踏まえて意見を述べたのだろう」と語った。

 被災3県の防潮堤計画は、総延長約370キロ、予算総額約8千億円といわれる巨大事業だ。復興庁によると、被災した471地区のうち9月末時点で着工されたのは226地区(48%)、工事完了は63地区(13%)。遅れている理由に、住民の合意形成が難航していることが挙げられる。

 防潮堤の14・7メートル、平均7~8m。この高さに、被災者から「海が見えなくなると津波が見えず、かえって危険だ」「景観が壊され、観光産業に悪影響が出る」などと反対の声が相次いだ。

 防潮堤により海の生態系が変わって環境が破壊され、影響は漁業にも及ぶとの懸念も出ている。

 防潮堤は住民の命を守るためのものであり、「批判を受けても、後世に『防潮堤が命を守った』と言われるなら、やらなければならない」との意見もある。だが、震災は防潮堤の限界もあらわにした。「万里の長城」と呼ばれ、日本一の長さを誇った岩手県宮古市の田老(たろう)防潮堤でも、巨大津波にのみ込まれた。

 政府の復興構想会議は平成23年6月、「水際での構造物に頼る防御から、『逃げる』ことを基本とするソフト面の対策を重視すべきだ」と提言している。

 鮪立地区に近い小鯖(こさば)地区では、県が防潮堤2カ所を計画する。いずれも高さ9.9m、長さ約100m、底辺の幅約40m。だが、住民は高台へ集団移転し、1カ所は無人に、もう1カ所は2軒が残るのみとなる。

 自治会の鈴木茂事務局長(59)は「無住の地へ巨大な防潮堤を造って、いったい何を守るのか。地域の実情に応じて柔軟に対応してほしい」と訴える。

 根本匠復興相は今月6日、防潮堤の見直しについて、「基本的には地域の合意だ」と述べている。」

引用は以上です。

11日のブログでも紹介した気仙沼〈防潮堤を勉強する会〉の署名サイトでの賛同者は、13日午前11時現在で4668人。10日の正式告知から3日間だけでこれだけ多くの賛同者を集めています。こうした動きが、市や県、そして国の行政にどのように届くのか。12月も半ばを迎えるなか、動きがあわただしく感じられます。

12月11日ブログ「防潮堤投票サイト」
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テーマ : 東北地方太平洋沖地震義援金、災害援助
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 防潮堤を勉強する会

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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