なにを守る防潮堤

先週金曜日、9月6日の毎日新聞夕刊に防潮堤に関する大きな記事が掲載されていました。見出しは「守るものなき巨大防潮堤」。

特集ワイド記事
毎日新聞9月6日夕刊の記事イメージ

毎日新聞の〈特集ワイド〉はこれまでも防潮堤問題をとりあげてきましたが、今回の記事はこれまでにも増して問題の深さを伝えているように思います。

リード文はつぎのとおり。
「巨大防潮堤計画がいよいよ実体化し始めた。岩手、宮城、福島3県沿岸に総延長約390キロ、総額8000億円以上の国費が投じられ、次々と着工している。住民の高台移転が決まった地区でさえ事業は止まらない。特集ワイドではこれまで見直しや反対を訴える住民の声を伝えてきたが、自民党の政権復帰が防潮堤問題に影を落としている。」

記事では、気仙沼市の小泉地区の人の声を紹介しています。

「運動場のテントで一緒になった人と『砂浜だけは残したかったなあ』と話しましたよ。本音では今でも反対の人は多い。でも、県に土地を買ってもらえる地権者も近所にはいるから、表だって反対とは言えない」。小泉地区の子供は同じ幼稚園、小中学校に通い、地区の親兄弟、親類同士は顔見知りだ。防潮堤に反対すれば隣人の土地売却を邪魔することになる。しかも、大半は地盤沈下して利用できない農地だ。(中略)「私たちは高台移転に必死なんです。防潮堤で行政と対立して移転までダメにしたくない。地権者も行政も悪くない。地区のほぼ全員が被災して同じ避難所から地域の将来を考えてきたのに、なぜか無駄な防潮堤ができてしまう。これが被災地の現実です」

そして記事の後半では、NPO法人「森は海の恋人」副理事長の畠山信さんのつぎの言葉を紹介しています。「ますます非公開の議論が目立つようになってきた。行政側は自治会長や地権者だけを集めて意見交換会を開き、防潮堤建設の合意を取り付けていく。もはや県の言う『住民の合意形成』とは名ばかりですよ」。

記事は、〈防潮堤を巡る超党派の議論はまだ始まってもいない〉と結ばれています。浦松丈二記者の署名記事です。

この特集記事はネットでも配信されています。ぜひお読みください。

毎日新聞2013年09月06日東京夕刊/配信記事

防潮堤問題をとりあげたこれまでの毎日新聞〈特集ワイド〉はつぎのとおり。

毎日新聞2月6日「本音は「反対」だが…復興が「人質」に」
毎日新聞3月7日「巨大防潮堤に海が奪われる」
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テーマ : 東北地方太平洋沖地震義援金、災害援助
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 防潮堤 防潮堤を勉強する会

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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