駒場で防潮堤再考

きのう23日、東京大学の駒場キャンパスでの〈防潮堤を再考するシンポジウム〉に行ってきました。妻と一緒に会場に向かって歩いていたら後ろから〈オダくん〉と呼ぶ声が。振り向けば菊田裕美君。約180席の会場は満員でした。私たちも含め気仙沼出身者はわかっただけで7人ですが、ほかにもいたのでしょう。

全体 シンポジウム
左:会場全体(休憩時) 右:2部セッション
大谷報告 小熊さん4
左:大谷の三浦さんからの報告 右:小熊さん(右)と三浦さん

第1部ではまず、会の世話役でもある南三陸町出身の山内明美さんが会の趣旨や防潮堤問題の概略を説明しました。続いて気仙沼の三浦友幸さんから気仙沼の大谷地区での防潮堤問題、岩手県大槌町の碇川(いかりがわ)豊町長からは大槌町の現状と鎮魂の森構想について、それぞれ30分ほどの報告がありました。

第2部では、1部の三浦さんと碇川町長に、小熊英二さん(慶應義塾大学教授)と高橋博之さん(元岩手県議で前回の知事選に立候補)が加わり、丸山真人さん(東京大学大学院総合文化研究科教授)の司会のもとに意見交換が行われました。その後30分ほど会場から質問を受けるなどして3時間半の会を終えました。

報告や発言内容は多岐にわたりますので要約することはしませんが、巨大防潮堤計画をめぐる問題が複雑であることがよくわかりました。第1回目のシンポジウムとして大変有意義であったと思います。

全体としては巨大防潮堤計画に疑問をもつ人が多く集まっていたように感じました。しかし、会としては単なる反対運動ということではなく、十分な議論がないままに被災地を手始めに全国で展開されようとしている巨大防潮堤計画に対して〈ちょっと待ってください!〉と呼びかけているのでしょう。その気持ち、よくわかります。

このシンポジウムにはNHKのテレビ取材がはいっていました。どのような形で報道されるのかはわかりませんが、国民的な議論のきっかけになってくれればなと思います。

潮目が変わり始めているのではないでしょうか。私は思い出します。大津波から半年が過ぎた2011年10月ごろ、民放テレビの朝の番組で防潮堤問題をとりあげていました。気仙沼市内湾地区での6.2メートルの防潮堤計画に反対する声を受けて、スタジオのコメンテーターの方々は〈観光産業と人間の命とどっちが大切なのでしょうか〉とちょっとあきれ顔で語っていました。気仙沼のあの景観を守りたいという気持ちを、あたかも〈命よりも目先の利益や経済を優先するあさはかな考え〉であるかのように。

しかし今、同じコメンテーターの方にこの巨大防潮堤問題への意見を聞けば、〈こんな巨大な防潮堤を計画するなんて、国はなにを考えているのでしょうか〉と語るでしょう。

その高さは別として防潮堤が必要なところもあると思います。なにも一律にやめろなどと言ってるわけではないのです。自治体によっても、また浜によってもそれぞれ違う事情をかかえています。だから複雑で難しい問題なのです。

こうして東京でも始まった巨大防潮堤問題をめぐる議論。ひとりでも多くの人がこの問題を正しく理解し、それぞれの地域そしてこの国にとって最善の選択がなされるよう願っています。

2011年10月14日ブログ「高すぎる壁」
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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 防潮堤を勉強する会 防潮堤を再考する

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東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

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