TV/そもそも総研

12月6日(木)の朝、羽鳥さんのテレビ朝日系列「モーニングバード!」玉川徹さんのコーナー「そもそも総研」で気仙沼の防潮堤問題をとりあげていました。大変おそくなりましたが、その内容をご紹介します。

そもそも

私はすぐに録画しましたが、ネット上にも画像があがっていましたので、参考まで紹介しておきます。約20分の映像です。番組映像はここから(配信中止。現在は見られません)

タイトルは「市・県・国に聞いた! 気仙沼堤防計画への疑問」
そもそも被災地の復興計画は誰のためのものなの?

番組は〈海岸堤防の新たな津波対策。宮城県全体で堤防をつくる予算が約2000億円の計画。浜によっては考え直して欲しいという声がずいぶんいるということなので聞きに行ってきました〉と始まります。

疑問1:東日本大震災級の津波は防げない?
疑問2:高台移転をする集落にも建設?
疑問3:地区関係なく一律に建設?

地元の気仙沼で玉川さんのインタビューに応えるのは二人。畠山信さんと、気仙沼市大谷地区に住む三浦友幸さん。畠山信さんは番組で〈気仙沼市でカキの養殖業を営む〉としか紹介されませんでしたが、畠山重篤さんの息子さんでNPO法人「森は海の恋人」の副理事長をつとめています。

まずはビデオで、宮城県の海岸線約250kmが堤防で覆われる可能性もあるとして、かつての大谷海水浴場風景などが紹介されます。そして大谷海岸に堤防が完成したときのイメージも提示。堤防高9.8mです。大谷では18.8mぐらいの津波が来たそうです。

地元の二人は次のように語ります。

畠山さん「津波がいった場所には民家が建てられないという規制がかかるので、何を守るのか。行政は、「道路を守る」と言っている」

三浦さん「大谷の砂浜を埋める計画には反対。大谷海岸というのは大谷に住んでいる人たちの象徴というか心のよりどころなのでそれを壊したくはないんですね。たとえばそこの国道、その地面がだいたい10m付近なんですが、かさあげして、その法面(のりめん)を防潮堤がわりにしてはどうか。しかし、予算のつけ方が違うらしく、それはできないと説明を受けた」
以前の海岸にあった松林は国有地で所管は農水省、近くを通る国道は国土交通省であるとのこと。

畠山さん「浜による違いを無視した形で一律に高い堤防をつくりますよというのが計画の主なところ」

そして番組は、国の中央防災会議の「L1・L2」の指針を説明します。
・L1:数十年〜100年周期(今回の堤防計画で防ぐ)
・L2・1000年周期 東日本大震災なみ(逃げて避難)
今回の堤防計画はL1対応です。

つぎに玉川さんは、市と県と国の考えを聞きにいきます。できるだけ正確に発言をひろっておきましょう。

◎菅原気仙沼市長
「中央防災会議の考えは、私はそうなんだろうなというふうに思います。それはただ一つ正しい考え方ではないかなと思います。」「(高台移転地区については必要ないのでは?)その通りですが、物事はそう簡単ではないです」(ナレーション:今回の計画を受け入れることで住宅再建の補助などを受けられるという面もあるので簡単な話ではないと市長はいう)

◎宮城県農林水産部 進藤光司 技術参事
「やはり行政として同じレベルに対して住民の生命を守る、財産を守るという、そういう考え方は統一すべきかなと思うんですけど」(ナレーション:地域によって津波から守るところと守らないところを分ける立場はとれないという宮城県)

◎水産庁漁港漁場整備部 本田直久 防災漁村課長
「地元がお決めになることなので、国としての考えは基本的にないんですが、守るべきものに対して、整備する価値があるのかということは、当然、(要望が)具体的に国にあがってきた段階では、我々はそういうことについて(堤防をつくるかどうか)判断させていただくことになると思います」

ここで一旦スタジオに戻ります。
コメンテーターの松尾貴史さん「計画を受け入れないと補助が出ないっていうバーターみたいな感じになっているのは気持ち悪いですね」
玉川さん「かつてはそんなこともいったけども、今は若干ちがうというようなことも気仙沼市長はおっしゃってるんですけど。やっぱり、いろんなものがセットになっているなかで、これは受け入れないというと、じゃあこっちもないというふうになっちゃうんじゃないかという恐れみたいなものがあるんじゃないかと」
この防潮堤計画と住宅再建補助との関係などは微妙なニュアンスもあり、もっとよく知りたいところです。

そして玉川さんは国道45号線のかさあげについて、県と国に聞きます。

◎宮城県農林水産部 永井隆暁課長
「地元の要望にいかにしたら応えられるかということで、関係機関が集まって今後調整しましょうという方向に、いま動いてきているということは聞いております」

◎水産庁漁港漁場整備部 本田直久 防災漁村課長
「たとえばおっしゃられたように道路なんかを背後の二線堤というような形で活用して、町全体として防災をするという考え方は当然ありますので。町となりますと、国土交通省さんとかいろんなところの話になりますけど、そういったところと話し合っていただければ。基本的には総合的に防災していこうという考え方はございます」

そして玉川さんは、気仙沼の防潮堤を勉強する会が市と県に出した要望項目を紹介します。〈これが地元の総意〉ではないかといった紹介の仕方です。羽鳥さんも〈もっともですね〉といった反応。

最後に玉川さんはたずねます。「税金を使ってでも本当に欲しいものはなんですか?」
畠山信さん「防潮堤ではなくまず生活の基盤ですよね。産業の復興であり、産業とは何かというと、やっぱり職場がほとんど流されていますので、まず職場をかさ上げしたりすることが一番だと思います。堤防ができても仕事がなければほかの地域に移らざるを得ないですからね」

そして結び「被災者が本当に必要なものは何かをもう一度考えてみるべきでは」。

地元の声が二人だけとか、ちょっと物足りないところはあるのですが、行政側の直接の反応を紹介するなど、かなりつっこんだ内容だったと思います。
昨年のテレビ番組で気仙沼内湾の防潮堤問題をとりあげたとき、観光に悪影響があるとの地元の声に対して、スタジオのコメンテーターが〈生命と観光資源とどっちが大切なんだと〉と反応したのに比べると、えらい違いだなと。

ちょっと長くなりましたが、多くのみなさんに気仙沼の防潮堤問題を考えてもらうきっかけになればと思い紹介しました。

12月7日ブログ「村井知事への質問」
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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 そもそも総研 気仙沼高校 防潮堤を勉強する会 森は海の恋人

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R45とBRTを内陸・高台に

元「みやふく文具の居候」です。2階で(40年前)義兄とプロレスをした人や(30年前)義兄と麻雀をしていた人たちとは別人のヨソモノです。私もこの番組をたまたま見てました。大谷のR45を走る車の往来を見てて「日常化」という「変な復旧」が先行してしまいそうだなぁと感じました。仮設や応急修理などでR45沿いでいろいろ「商い」が始まってくるといつの間にか「生活」までもが始まってしまって行政も追認せざる得なくなってしまうのでは?防潮堤だ、かさ上げだ、と議論で留まっていないで、R45とBRT専用路を内陸・高台へ移設して「商い」や「生活」の場を内陸・高台に誘引することも必要なのではないでしょうか。防潮堤を作るために砂浜をつぶすのはハンターイ!三陸道延伸と現R45のかさ上げ・拡幅が計画されているので「四重投資」だと言われそうですが・・・
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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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