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今年の早稲谷鹿踊

気仙沼市唐桑町の御崎神社さんの7月30日のX(旧Twitter)投稿を紹介します。今年の早稲谷鹿踊(わせやししおどり)に関する話です。


投稿者がはっきりとはしませんが、過去の投稿を読むと、気仙沼市唐桑の御崎(おさき)神社さんに嫁がれた方のようです。禰宜(ねぎ)の奥様でしょうか。神職を補佐する巫女(みこ)ということかもしれません。〈私も神楽(かぐら)を学ぶ身として、地元の根っこみたいなものを感じる事が出来ました〉とのこと。

なお、上記につづく投稿(スレッド)によれば、〈地元の〉というのは、〈唐桑の〉いうことではなく〈実家の地元〉ということのようです。早稲谷近辺から唐桑に嫁がれた方ということでしょうか。

早稲谷鹿踊(わせやししおどり)は、宮城県指定無形民俗文化財で、地区内にある「甘酒地蔵尊」の祭典で奉納されます。2016年8月のブログにちょっと詳しく紹介しましたので、以下に再掲します。


2016年8月26日ブログ再掲

早稲谷鹿踊の伝承

(2016)8月2日の三陸新報に、気仙沼市早稲谷(わせや)の鹿踊(ししおどり)の記事が掲載されていました。

三陸8,2早稲谷3

三陸新報2016年8月2日記事の一部イメージ


記事の一部を引用します。

「気仙沼市早稲谷地区の甘酒地蔵尊祭典が(2016年7月)31日、現地で行われた。県指定無形民俗文化財の早稲谷鹿踊が奉納され、地域の繁栄を願って厄災、疫病をはらうとともに、祖先の霊を供養した。地蔵尊は、飢饉や疫病などで亡くなった幼子を供養するために建立された。早稲谷鹿踊が伝わってからは毎年、旧暦6月24日の前後に奉納されている。」(引用は以上)

宮城県の指定文化財のウェブサイトにはつぎの説明がありました。

「早稲谷地区に伝わる8頭の鹿踊りである。記録には文政10年(1827)、岩手県大原山口の喜左衛門より月立八瀬の林蔵に伝承されたものという。毎年旧暦6月24日に地区内にある「甘酒地蔵尊」の祭典に奉納し、災厄や疫病をはらう魔除けの踊りといわれるが、本来は祖先の霊を供養するものである。背中に竹を削って結束した3m以上のササラを立て、腰太鼓をさげ、唄いながら踊り跳ねる。政宗から「仰山なり」と賞詞されたといういい伝えにちなみ「仰山(ぎょうざん)流」と称する。」

また、甘酒地蔵尊は、天明の大飢饉(約230年前)で亡くなった乳児や幼児を供養するために建立されたそうです。甘酒は母乳に見立てたものといいます。源義経の一行が平泉に向かう途中、猿がお地蔵様に姿を変え、甘酒で迎えたとの言い伝えもあるようです。

私が驚いたのは、気仙沼ニッティングさんのフェイスブック7月31日の記事でこの鹿踊りがつぎのように紹介されていたこと。代表の御手洗さんによるものでしょう。

〈昨日は、気仙沼の山の方の、早稲谷という集落で「鹿踊り」がありました。この1年にこの集落で亡くなった方々のために、お地蔵さまの前で鹿たちが祈りを捧げるのだそうです。気仙沼でもほとんど告知されないため、気仙沼在住でも見たことがある人は少ないかもしれません。この集落の人たちが、静かに行うお祭りです。空と山を背景にした舞台で、鹿たちが角に見立てた長い「ささら」を振り回して踊る様子は圧巻でした。この踊りのあとは、新しいお位牌の前で鹿たちがお祈りをします。亡くなったあと、こうして村のみんなに祈ってもらえるというのは、なんとあたたかな文化だろうと思います。続いていきますように。〉

17分間の動画も紹介されているのですが、これを見ると〈本物の奉納の踊り〉の雰囲気が伝わってきます。私は〈宮澤賢治〉や〈遠野物語〉を連想しました。早稲谷の鹿踊も岩手県一関を経由して伝えられたもののようですので、さほどずれた印象ではないと思います。

御手洗さんの〈圧巻〉の印象は、気仙沼の人があまり気づいていない地域文化の価値を外の人に教えてもらうという、よくあるパターンのひとつかもしれません。

2014年の目黒のさんま祭では、気仙沼市落合地区の廿一(二十一)田植踊りが披露されました。廿一の現場ではなく、あくまで東京のイベント会場での演舞ではあったものの、その素晴らしさに驚きました。気仙沼市で県の無形民俗文化財指定は3件あるのですが、早稲谷鹿踊とならんでこれもそのひとつ。残る一つは〈新城の田植踊〉です。

50年以上前の気仙沼みなとまつり。魚町坂口の実家前で鹿折(ししおり)方面から連なって進む祭の行列を見ていました。鹿踊りや田植踊り、そしていろんな地区の太鼓もあったように思います。それを〈いつものだしもの〉としか見ていませんでした。またかよ、と。それから半世紀。そのひとつが、地域の人によってしっかりとひっそりと伝承されていることを知り、うれしく思ったのです。また、長くなってしまいました。今週はこれにて。

気仙沼ニッティング/facebook映像(約17分)

再掲内容は以上です。

冒頭に紹介した投稿文のなかにあった〈地元の根っこみたいなもの〉という印象がとてもいいですよね。信仰の根本、奉納ということの意味や意義といったことも連想されました。

御崎神社さん、本年の早稲谷鹿踊の動画紹介、ありがとうございました。御礼申し上げます。
 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 早稲谷鹿踊菅原一衛御崎神社

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気中20/小田

Author:気中20/小田
このブログは、東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/71~72歳)たちを支援する首都圏在住者「気中20回生支援会」ブログとして始めました。いまは、気仙沼出身東京在住者による気仙沼情報ブログとして、魚町育ちの小田(気中3年8組)が書いています。

Twitter: @kechu20

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