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勝川先生の「意見」

気仙沼の人ならば、三陸新報5月30日のつぎの記事におぼえがあるでしょう。5月29日の気仙沼魚市場で、ビン長マグロ978トンやカツオ154トンなど、市場全体で1日当たり5億8053万円の水揚げになったというのです。これにより、41年ぶりに気仙沼魚市場の水揚げ最高金額を更新したとも。


5:30日

三陸新報5月30日記事の一部イメージ


私は、この今期水揚げ好調のニュースに触れて本当によかったなと感じました。昨年がひどかったですからね。

テレビ朝日系列の「グッド!モーニング」も、6月9日にこのビンチョウマグロ大漁のニュースを取り上げ、同日のテレ朝NEWSが配信してくれました。見出しは〈ビンチョウマグロ 41年ぶり大漁 漁師笑顔「3日で3500万円」〉です。これは気仙沼魚市場の6月7日水揚げのこと。

この報道の仕方に疑問をなげかけたのが気仙沼もいろいろとお世話になっている勝川俊雄先生でした。東京海洋大学准教授。6月9日につぎのようにツイートしています。


このツイートに続けてつぎの投稿も。引用させてもらいます。

〈「とり放題」を喜ぶ、生産者、流通業者、消費者と、それをポジティブに伝えるマスメディア。持続可能性を無視した、薄利多売ビジネスの縮図がここにある。〉

〈補足すると、ビンチョウは資源的に余裕があり、かつ、日本は分布の北限なので、日本で頑張って獲っても、すぐに影響が出るとは考えづらい。日本周辺の資源がことごとく悪い中で、たまたま多く回遊してきたビンチョウを獲ること自体を非難するつもりはありません。〉

〈ただ、「とり放題で良いのかな?」と疑問を持ってほしいのです。もし、ビンチョウが日本近海に定住する資源だったら、直線的に減少している日本の漁獲量と同じような状況になっていたでしょう。つまり、とり放題漁業には未来がないのです。〉

〈とり放題を続ける限り、定住性の水産資源は減少し、希に回遊してきた資源に依存せざるを得なくなります。そういう漁業には、先細りの未来しかありません。状況を変えるには、定住性の資源から安定した漁獲が得られるように、とり放題をやめて、漁獲規制を導入する必要があります。〉(引用は以上)


このような指摘、問題提起はとても大事ですね。

勝川先生と同じ問題意識をもっている人は気仙沼の漁業・水産関係者のなかにも沢山いると思いますよ。問題意識をこえて危機感といってもよいかもしれません。ただ、そうした意見を、豊漁にわくこの時に語れるかどうか。地元紙も同様でしょう。

それだけに、勝川先生の指摘が貴重だと思うのです。これに対しての意見もいろいろとあるでしょうが、議論すればいいだけの話。

◎勝川先生と糸井重里さんの対談

2014年6月、「ほぼ日」さんで勝川先生と糸井重里さんの対談が連載されたことがあります。全8回シリーズでテーマタイトルは〈日本の魚は「世界一」じゃない!? 〉。この当時の勝川先生は三重大学生物資源学部准教授でした。

つぎのブログで紹介しておりますが9年前のことになるのですね。

2014年6月27日ブログ「気仙沼の魚の未来」

◎81号由丸の守山船頭

ANNのニュースで、「2、3日で3500万円」と語っていたのは、宮崎県のカツオ船「由丸」の守山佳洋船頭です。あれっ、この守山船頭さんのことは以前にブログで紹介したなと思って調べたらやはりそうでした。勝川先生が、YouTubeで「カツオ一本釣り漁船(81号由丸)の見学」を公開していたのです。

2022年11月24日ブログ「船頭さんの胸の内」

勝川先生と守山船頭は知り合いだったのです。「グッド!モーニング」の取材を受けている守山船頭をみて勝川先生もおどろいたでしょうね。上で紹介した先生のツイートで〈たまたま多く回遊してきたビンチョウを獲ること自体を非難するつもりはありません〉とあるのは、その勝川先生の複雑な気持ち、思いが反映されているかもしれません(考えすぎかな)。

◎勝川先生への感謝

ちょっと長くなってしまいました。要は、豊漁を喜ぶだけではなく、将来の漁業・水産業のことも考えなくちゃねということ。その大事さを否定する人はあまりいないと思いますが、この短期と長期の視点を両立させるのがなかなか難しい。それだけに、今回の勝川先生の「意見」をありがたく感じました。

勝川先生、いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

◎参考:
なつかしい写真でちょっと頭を休めましょう。勝川先生が昨年3月に気仙沼魚市場の臨港線におけるDE10型ディーゼル機関車を紹介してくださいました。つぎのブログにて。

2022年4月8日ブログ 気仙沼の「臨港線」

 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 勝川俊雄

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気中20/小田

Author:気中20/小田
このブログは、東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/71~72歳)たちを支援する首都圏在住者「気中20回生支援会」ブログとして始めました。いまは、気仙沼出身東京在住者による気仙沼情報ブログとして、魚町育ちの小田(気中3年8組)が書いています。

Twitter: @kechu20

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