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インカ少年隊 小史

気仙沼市本町の小中高生で組織していた「インカ少年隊」の70周年の記念誌が完成したそうです。11月1日の三陸新報が伝えてくれました。


11:1インカ少年隊

三陸新報11月1日記事の一部イメージ


この記事に、11月6日には発刊記念の懇親会を本吉町「はまなす海洋館」で開くとも記されていました。その懇親会について、11月8日の三陸新報はつぎのように伝えています。


懇親会
三陸新報11月8日記事の一部イメージ



インカ少年隊は、1949年(昭和24年)8月15日に「インカ少年帝国」として結成されました。昨年2021年9月17日のブログでその沿革をまとめています。以下にその記事を再掲します。


2021年9月17日ブログ再掲

◎インカ少年隊 小史

9月9日のブログで、吉越宏一君(3年5組)の三陸新報「リレー随想」に記された気仙沼市本町(もとまち)「インカ少年隊」についての話を紹介しました。

9月9日ブログ「吉越宏一君の随想」

本日は吉越君の情報をベースにして、「インカ少年隊」の歴史を追ってみようと思います。


①インカ少年隊 沿革

吉越君の記述から、「インカ少年帝国」に始まる「インカ少年隊」結成当時のことを年表形式で整理します。それは1949年/昭和24年8月15日に始まります。


・昭和24年8月15日
 12人で「インカ少年帝国」結成
・昭和29年
 「インカ少年隊」に改称
 志津川愛鳥会と交流開始
・昭和33年
 日本野鳥の会に入会
・昭和34年
 宮城県野鳥保護部門で第1位獲得
 (授賞団体が不明ですが日本野鳥の会関連でしょうか)


この後については、「気仙沼文化史年表」(荒木英夫著)の記述を整理します。

・昭和34年3月1日
 愛鳥グループのインカ少年隊が「小さな天使」刊
・昭和34年5月10日
 インカ少年隊(吉越進平)日本野鳥保護連盟と文部大臣より表彰
・昭和34年9月4日
 愛鳥運動のインカ少年隊、ポーランド放送に紹介される
・昭和35年4月11日
 インカ少年隊の愛鳥活動がNHKから放送
・昭和43年5月15日
 野鳥保護活動のインカ少年隊に県知事賞

この昭和43年のことについては吉越君のつぎの記述がありました。

・昭和43年
 日本鳥類保護連盟から野鳥鳥獣保護功労者賞を受賞

記事では、「野鳥鳥獣保護功労者賞」となっていましたが、これは「野生鳥獣保護功労者賞」かもしれません。現在では 日本鳥類保護連盟と環境庁による「野生生物保護功労賞」となっているようです。この頃に吉越宏一君が入隊しています。

・昭和44年5月10日
 インカ少年隊が発足20周年記念野鳥会を開く

昭和34年5月の項目に、この時期の隊長としてだと思うのですが、吉越進平さんのお名前がありました。進平さんは、宏一君の叔父さんです。お父さんの弟さん。菊田裕美君(3年1組)に確認したところ、在京気仙沼高校同窓会の会長をつとめていたことがあるとのこと。宏一君は小さなころから進平さんのインカ少年隊活動を身近に見ていたのでしょう。


②ニュース映画「毎日世界ニュース」

ネットでの検索で、1959年/昭和34年に「毎日世界ニュース」がインカ少年隊のことを報じていることがわかりました。

当時のニュース映画「毎日世界ニュース」は、毎日新聞社提供で大映が配給していたようです。インカ少年隊のニュース映像はいま、横浜にある放送番組アーカイブ施設「放送ライブラリー」に保存され、視聴もできるとのことです。放送ライブラリーのサイトから、ニュース映像内容を引用します。

◎毎日世界ニュース405 「みちのくの愛鳥少年隊」

上映日:1959年5月13日
秒数:140秒
放送ライブラリーサイト

東北の港町、宮城県気仙沼市の山頂にある、ぼくたちの「インカ少年連合国」は、夢と希望にあふれた子供たちだけの集まりである。今日は新入隊員の歓迎式。先輩の激励の拍手を浴びたあと、インカ国の守り神、聖なる太陽に向かって誓いを新たにする。ぼくたちで建設したお城は「むくどり図書館」。中では首脳会議が開かれて、隊長たちの胸に花をかたどった階級章がついている。ぼくたちの大事業の一つは、野鳥の保護観察。野鳥講座はいつも熱心な隊員で一杯だ。5月10日のバードデーには小鳥のお墓参りのあと、舟で橋の下の「いわつばめ」の数調べ。毎朝顔を合わすぼくたちの友だちだ。それぞれ有り合わせの板切れで作った手製の巣箱を持って、山では「むくどり」の家造りと観察。もう今では巣箱が600戸になった。また新しい「むくどり」が1羽住み着いたようだ。傷ついた小鳥も、ぼくたちインカ少年隊の愛情によって大空に帰って行く。(引用は以上)


「インカ少年帝国」が、ここでは「インカ少年連合国」となっています。面白いですね。毎日新聞側が「帝国」の名をきらって「連合国」としたのでしょうか。


③菅野青顔さんの「インカ少年隊」

以上の情報のなかには、インカ少年帝国/インカ少年隊の創始者情報がありません。その名は、菅野青顔さんによる『三陸新報』コラム「萬有流転」のなかにありました。初代隊長は朝田信治さんです。


萬有流転

『菅野青顔の萬有流転(上)』より



『菅野青顔の萬有流転(上)』(三陸新報社刊)から引用します。


◎インカ少年隊

『三陸新報』昭和35年(1960)年5月11日掲載

地方の紹介記事で、近来とくに気持ちよく感じたのは、毎日新聞に掲載された「気仙沼インカ少年隊」の活躍ぶりだ。これは単にインカ少年隊の誇りだけでなく、気仙沼全市の誇りとしてもいいものだ。インカ少年隊の生みの親である初代隊長朝田信治君の語る「ジャッキーの死」を読んで、涙ぐましくなったのは筆者だけのことであろうか。恐らくそうではあるまい。野鳥楽園の建設を悲願として、たゆまぬ努力を続けている少年たちに頭がさがるばかりだ。

(中略)

「ものいはぬ よものけだもの すらだにも あはれなるかなや 親の子をおもふ」という実朝の歌の意を汲めば、おろそかには、トリケダモノの生命は絶たれぬものだ。とまれ、気仙沼インカ少年隊の輝かしき業績。全市全国の少年たちにマネて貰いたいものだと念願する。

引用は以上です。

朝田信治さんは、気仙沼高校同窓会名簿によれば気高9回生。吉越進平さんが同14回生ですから5コ違い。吉越宏一君をはじめ私たちは気高22回生です。

文中にある源実朝(さねとも)の和歌は、「もの言はぬ四方の獣すらだにもあはれなるかなや親の子を思ふ」。

ネット情報を総合すれば、〈ものを言わず、あちこちにいる獣でさえも、その親が子を思うさまは、しみじみと胸に迫る〉というようなことらしい。

青顔さんの語る鳥に託した親子の愛情。私はそこにも、しみじみとしたものを感じます。


④隊歌「希望の仲間」

今年8月15日で結成から72年となった気仙沼「インカ少年隊」。吉越宏一君は、三陸新報「リレー随想」でつぎのように語っています。

〈時が過ぎ、子供達も忙しくなってインカ少年隊も存続できなくなり、寂しい限りです。今ではOBが年に1度、創立日に会うだけになってしまいました。〉

宏一君、しかたがないよ。かつての少年隊員吉越君もすでに古希だもの。どうぞ、忘れないうちにみんなで歌う隊歌を録音しておいてください。とりあえず三陸新報「リレー随想」で宏一君が紹介していた隊歌「希望の仲間」の一節を記しておきます。

みんな仲良く 手を組めば
歌声高くこだまして
明るい希望の仲間が出来る
みんなみんな 手を組んで
朝かぜ 夕焼け 探鳥の
思いを語らうこの集い

以上、ネット上に気仙沼「インカ少年隊」の名を刻んでおければと。

2011年8月19日ブログ「謎のインカ少年隊」

 
再掲内容は以上です。

10月31日の三陸新報には、懇親会の開催や70周年記念誌の案内広告が掲載されていました。私は早速、広告に名のあったOB会の菊田幸雄さんに電話したのち、購入を申し込みました。

記念誌に記された内容と当方の上記記事にはいろいろと違いもあるのではないかと思っております。そんなこともまた楽しみのひとつですね。なお、先日には隊員OBのひとり吉越宏一君(3年5組)にも電話しました。宏一君は6日の懇親会は気仙沼南ロータリークラブの会合と重なって残念ながら参加できないと語っていました。

このたび発刊された記念誌は70周年記念誌ですが、結成された1949年8月15日から数えると今年73周年です。

インカ少年隊の隊員たちも今はまさにオールドボーイ/OB。その皆さんがこうして記念誌発刊と73周年を祝うことができたのはなによりのことです。

記念誌の発刊、そして懇親会の開催、おめでとうございます。
 
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tag : インカ少年隊吉越宏一

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気中20/小田

Author:気中20/小田
このブログは、東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/71~72歳)たちを支援する首都圏在住者「気中20回生支援会」ブログとして始めました。いまは、気仙沼出身東京在住者による気仙沼情報ブログとして、魚町育ちの小田(気中3年8組)が書いています。

Twitter: @kechu20

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