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公文健太郎トーク

気仙沼漁師カレンダー2023が10月13日に発売されました。その写真を撮影してくださった公文健太郎さんのトークイベントが10月16日に浅草「梅と星」で開催されました。夫婦で参加。

「梅と星」は、浅草の仲見世通りの東側の通りにありました。会場はその2階。テーブルと座布団がおかれたスペースに靴をぬいであがります。イベントの定員は20名でした。10月14日からはこの2階会場で「気仙沼漁師カレンダー2023写真展」が開催されています。11月20日まで。観覧は無料です。

浅草「梅と星」公式サイト

トークイベントは、こんな感じ。右が公文さん、左が漁師カレンダーのプロデュースを担当しているバンブーカットの竹内さん。「梅と星」もバンブーカットが経営しているお店です。詳しくは回をあらためて紹介しましょう。


トークイベント


カレンダーの各月写真に関して、公文さんが撮影の様子などを順平さんと掛け合いのかたちで話をしてくださいました。

とても興味深い話が続きました。詳細は略しますが、ちょっとだけ以下に。

◎健太郎が建太郎に

カレンダーに使われている漢数字は、基本的に登場している漁師さんに書いてもらったとのことですが、面白い話がありました。表紙にあたる写真には、カレンダータイトルと「写真 公文健太郎」の文字が記されているのですが、健太郎が建太郎になっています。

このように書いてくださいという見本と筆や紙などをデザイン担当の神田さんから漁師さんに送って書いてもらったそうですなのです、人偏(にんべん)がぬけていました。しかし、そのまま使うことにしたそうです。それもまたおもしろしということかと。

◎トリミングはおまかせ

順平さんによれば、これまでの写真家の皆さんの写真は基本としてトリミングなしでカレンダーに使われているとのことです。しかし今回は、デザイン担当の神田彩子さん(日本デザインセンター)に公文さんが自由に使っていいよと伝えたというのです。「無印良品」の仕事などで共に仕事をしてきたコンビだからこその信頼感なのでしょう。

フィルムに記録された画像とカレンダーに掲載された写真のトリミング。そして上に紹介した写真展で掲出されているプリントのトリミング/フレーミングの違いをとてもおもしろく感じました。

◎宇宙船のような漁船

カレンダーの表紙写真に関する話もありました。私はトークイベント終了後、購入したカレンダーにサインしていただきましたので見開きで紹介しましょう。壁にとめて撮影。上半分がおもて表紙、下半分がうら表紙ということになります。左下に公文さんのサイン。

表紙

この写真は、7月の写真でもあるのですが、これについて公文さんは、〈道具類がみな手のとどくところにあって、なにか宇宙船のような感じを受けた〉と語っていたように思います。たしかに不必要なものは排除され、必要なものだけが長年の経験によって合理的な配置となっているかも。おなじ〈船〉だし。

と、私の記憶をもとに書いたのですが、カレンダーのなかにある各月写真の解説では〈小さな船の上は全て自分用に調整された漁具が、ところ狭しと並んでいる。全てに手が届く。子供の頃に憧れた秘密基地のような、菅原福寿さんだけの職場だ〉と記しています。宇宙船か秘密基地か。いずれにしても〈カプセル〉的なイメージでしょう。

そのほか、漁師さんにとっての〈水平〉と写真家にとっての〈水平〉の違いなど、いろいろとおもしろい話がありましたが略します。

そんなお二人の話のあとに質問を受けてくれました。私はつぎのようなことをお聞きしました。

〈ご本人の話を聞けるせっかくの機会なので、事前に2010年刊行の公文さんの「ゴマの洋品店」を拝見/拝読しました。漁師カレンダーの写真と比較してみると、その作風というか表現のスタイルがちょっと変わっているように感じられます。ご自身はこの10数年での写真を撮る視点や表現しようとすることの変化をどのように感じられていますか〉

この問いに対する公文さんの細かな話は省略します。しかし、〈ネパールで撮った「ゴマの洋品店」の写真をいま見るとちょっと恥ずかしい〉などと語りつつ、ときおり考えながら話してくれた公文さんの表情や語り口をとてもうれしく思いました。私からは〈ありがとうございました〉と。

もうひとつの質問をするとすればつぎのようなことだったでしょう。

〈公文さんは「無印良品」をはじめ優れたコマーシャルフォトもいろいろと手掛けられています。そうした仕事が、その後の作品集とすることを前提にした写真家/アーチストとしての表現に与えた影響についてはどのようにお考えでしょう〉

言葉の細かな定義は別として、コマーシャルアートとファインアートの間にあるグラデーションを公文さんはどのように考えているのだろうかと。

これは、公文さんが過去の漁師カレンダー8作に対して感じた印象や、それらとは違うご自身としての表現/視点を2023年版ではどのように実現できたのかということにつながってくるかもしれません。今さら聞かなかった質問を記してもたいした意味はないのですが、こうして当日の印象を記してくると〈聞いてみたかった〉と。

なんか、話がしつこくなってきました。当日の話を思い起こすと、いろいろと語りたいことが出てくるのです。とてもおもしろいトークイベントでした。公文健太郎さん、竹内順平さん、ありがとうございました。

そこでしか聞けないこと、そこでしか撮れないものがあるということをいま実感しています。

10月14日ブログ「写真家 公文健太郎」

 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 気仙沼漁師カレンダー公文健太郎

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気中20/小田

Author:気中20/小田
このブログは、東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/71~72歳)たちを支援する首都圏在住者「気中20回生支援会」ブログとして始めました。いまは、気仙沼出身東京在住者による気仙沼情報ブログとして、魚町育ちの小田(気中3年8組)が書いています。

Twitter: @kechu20

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