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気仙沼町民歌復元

9月27日の三陸新報に、「気仙沼町民歌」が復元されたとの記事が掲載されていました。


町民歌

三陸新報9月27日記事の一部イメージ


記事によれば、「気仙沼町民歌」は気仙沼町制50周年記念として、1942/昭和17年に発表されました。当時は、学校の授業でも歌われていたとのこと。作詞は瀧廉太郎作曲「荒城の月」の作詞でも知られる仙台出身の詩人・土井晩翠。作曲は当時気仙沼に住んでいた栗原勉さんです。

町民歌を復元したのは、2010年に市内の有志で結成された「土井晩翠作詞『気仙沼町民歌』を復元させる会」です。事務局長をつとめる藤田孝子さん(70)が、同年10月に市内の男性がこの町民歌を歌うのを耳にしたことが発足のきっかけとのこと。

歌詞については、書家の加藤清翠さんが記した歌詞のコピーがあったようですが、楽譜は残っていないということのようです。そこで、男性の歌うメロディを譜面におこし、デモテープをつくりました。

会のメンバーは、その譜面やデモテープを手にして歌ったことのある人をたずね復元内容の修正を重ねたそうです。主にメロディの修正でしょうか。

そして陸上自衛隊音楽隊に所属していた経験のある藤田孝子さんの歌唱を録音してCDに収めました。編集は、市内で音楽活動をする小田雅秋さんが担当したそうです。小田さんは私と同姓ですが、親戚ではありません。雅秋さんが気中で私の一年上、一年下にはその弟さんもいましたね。

CDは実費500円で販売。問い合わせは藤田さんまでとのことです。

以上が三陸新報記事の内容です。

記事では触れられていませんでしたが、栗原勉さんは「気仙沼小唄」の作曲もされていますね。念のためいえば、1968年発表の「気仙沼音頭」(歌:三橋三智也)ではなく、1952年発表と思われる「気仙沼小唄」です。

上記記事に掲載されていた歌詞を以下に紹介します。


◎三陸新報掲載 歌詞内容

気仙沼町民歌

作詞 土井晩翠
作曲 栗原 勉


萬里の波にいさなとる
漁業に添ひて生産の
工業更に日に振い
月に進みてあらたなる
あゝ気仙沼栄えあれ


亀山 早山 安波山
彼と此れとを仰ぎ見て
一湾しずか藍の水
鼎浦をわけ行けば
太平洋は天ひたす


無双の勝地時を得て
今昭代に光浴ぶ
人また和して邦のため
町民ともに一斉に
勤め励みてやまざらん


私は、〈添ひ〉〈振い〉など、歴史的仮名遣い(旧かな)と現代仮名遣いがまざっているのが気になりました。

また、〈静か〉を〈しずか〉としていますが、旧かなであれば〈しづか〉ではないかとか。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」での、〈イツモシヅカニワラッテヰル〉のように。

そんなことで、気仙沼市史に掲載されている歌詞内容はどうなっているのか確認してみました。


◎気仙沼市史掲載内容

市史 補遺編 スポーツ・芸術(P334)


萬里の波に勇魚とる
漁業にそひて生産の
工業さらに日にふるひ
月に進みて新なる
ああ気仙沼栄あれ


亀山早山安波山
かれとこれとを仰ぎみて
一湾しづかあゐの水
鼎浦を分け行けば
太平洋はあまひたす

(以下略)

市史では(以下略)として、これ以降の歌詞の記載はありません。なお、1番2番とも、市史では1行目と2行目を改行なしとしていますが、三陸新報掲載内容に合わせて当方が改行を加えました。

また、歌詞の前の説明文は「昭和15年、気仙沼町制50年を記念して土井晩翠に作詞を依頼し、栗原勉が作曲した。」のみの記述です。

私の推測ですが、市史掲載内容も、土井晩翠さんが書いた歌詞の表記を変えたりしているのではないでしょうか。たとえば元々は〈彼と此れ〉と書かれていたものを、〈かれとこれ〉とひらがなにするなど。記事にある、書家加藤清翠さんが記した歌詞の表記がどうなっているかを知りたいところです。

以上のようなことも含めて、資料が少ない中での〈復元〉は実に難しいということですね。それだけに、今回の藤田さんをはじめとする市民有志による町民歌復元の試みは貴重だと思います。ありがとうございました。


◎1942年当時の戦況

気仙沼町民歌が発表されたのは1942/昭和17年。気仙沼文化史年表によれば、11月25日のこと。

太平洋戦争中のこの年、ガダルカナル島をめぐって日本軍と連合軍/米軍との激戦がありました。そして同年12月31日、大本営はガダルカナル島撤退を決定するのです。

同島に上陸した日本軍約3万人のうち死者・行方不明者は2万人を超えたといいます。そのうち1万5千人は餓死や戦病死であったとも。

〈人また和して 邦のため〉と歌っていたこの時期から、戦況は下降線をたどっていくのです。町民歌復元は私にとって、こうした歴史を再認識するよいきっかけになりました。

なお、この記事を書くにあたって調べている途中、2010年4月に「気仙沼町民歌 CDに復元」との記事が三陸新報に掲載されていることを知りました。今回の復元とは違う話のような感じがいたします。これについては週明けにでも。今週はこれにて。
  
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 気仙沼町民歌

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/69~70歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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