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「梓の木を植える」

6月7日に予定されていた「森は海の恋人 植樹祭」が中止されることになったと、4月16日のブログでお伝えしています。そのなかで、植樹祭に代えて、役員数人で何本かの苗木を植える予定であることや、畠山重篤さんの言葉を紹介しました。「限られた本数にはなるが、植樹祭に参加予定だった方々の思いを背負って植えてきたい」と。

6月7日当日、NPO「森は海の恋人」がつぎのツイートを投稿してくれました。植樹祭を中止したわけではなく、関係者のみで小規模におこなったということなのですね。1989年に始まり今回で32回目です。



記事の写真の左が、NPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さん、右が室根町第12区自治会の会長である三浦幹夫さんです。

三陸新報も6月9日にその様子を伝える記事を掲載しています。そして河北新報も同日、つぎの記事を配信してくれました。

河北新報

河北新報6月9日配信記事より

河北新報6月9日配信記事


この記事によれば、例年は全国から約1500人が参加するそうですが、新型コロナウイルス感染防止のため関係者30人で実施したそうです。アズサ(梓)、クヌギ(椚)などの苗木10本を植えたとのこと。

◎宗教改革者 ルター

河北新報の記事中にドイツの神学者ルターに関係する記述がありました。

〈「NPO法人理事長の畠山重篤さん(77)はアズサを植えた。脇に添えた標柱には、神学者ルターのものとされる言葉を借り「たとえ明日、地球が滅びようとも私は梓(あずさ)の木を植える」と記した〉

この標柱は上に紹介した「森は海の恋人」のツイートの2枚目の写真にうつっています。重篤さんは、ルターの言葉にある「りんごの木」を、「梓の木」としたのですね。

重篤さんがルターの言葉を借りたのは、自らがクリスチャン/キリスト者であることが背景にあるでしょう。

私のつたない理解ですが、ルターはローマ・カトリック教会に対して神学的な疑問を表明し、その結果として破門されます。そしてカトリックから分離しての新しい教派を形成していくわけですが、その一連の活動が「宗教改革」と呼ばれています。

こうした新しい教派、宗派が「プロテスタント」とよばれるのは、カトリック教会への「抗議(プロテスト)」に由来するそうです。

気仙沼でもっとも古いプロテスタントの教会は、日本バプテスト気仙沼教会です。以前は愛耕幼稚園とともに三日町にありました。重篤さんは2016年の愛耕幼稚園創立100周年にあたって記念講演もおこなっていますので、同教会に属しているのでしょう。

◎梓の木に命を託す

重篤さんはその著書のなかで何度も「梓の木」について記しています。たとえば、『森は海の恋人』の〈梓の木に命を託す〉の項の一節。少し引用します。

(前略)梓は、梓弓の名が歌の枕詞に残っているように、その強靱な撓り(しなり)のために、古来から弓の材料として有名である。海に生きる者にとっても、この木の性質は貴重で、正に、生命を預ける木だったのである。重く、硬く、撓りのあるこの木の特性は、艪(ろ)の材料として最適である。漁に出て、艪が折れようものなら、それは命にかかわる大問題だ。嵐に遭い、艪が折れてしまい遭難においこまれた船も数多くあったという。(引用は以上)

畠山重篤さんは所有する木造和船を「あずさ丸」と名付けました。この船は気仙沼市唐桑/宿浦の大原造船所の船大工、岩渕文雄棟梁によるものでした。以前の船は震災で焼けたりなどして使えなくなったそうですが、2014年に新船が建造されました。その船も「あずさ丸」と名付けられ、森は海の恋人の体験学習などで使われているとのこと。

余談になりますが、本を出版することを「上梓(じょうし)」というのは、木版本の時代の版木には梓の木が用いられていたからだと聞きました。畠山重篤さんはすでに多くの著作をものする〈文筆の人〉でもあります。その意味でも、重篤さんと梓の縁の深さを感じますね。

◎少人数ゆえの風景

「森は海の恋人 植樹祭」は、例年であれば1500人が参加する催しです。しかし今回は、新型コロナ感染防止のために、関係者のみでの開催となりました。

その皆さんにとっては残念なことであったとは思うのですが、1989年の植樹祭開始当初のことなども思い出す特別の時間になったのではないか。こうして毎年、木を植えてきたのだと。

また、植樹祭以前の、賛同者もまだ少ない時期のことなども重篤さんの脳裏をよぎったのではないかとも。

いろいろと妄想というか勝手な想像がとまりません。どうも私は〈種をまく〉とか〈木を植える〉といった言葉に弱いようです。ということで今週はこれにて。

唐桑へのキリスト教伝道を積極的におこなった日本バプテスト気仙沼教会の長峯英雄牧師や、その子息である長峯純一さん(気中26回生)についてはつぎのブログにて。

2017年10月12日ブログ「長峯教授の話〜2」
 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 森は海の恋人

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プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/69~70歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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