FC2ブログ

山浦さん 教皇面会

ローマ教皇フランシスコが11月23日に来日し、26日に帰途につきました。訪日中の様子は大きく報じられましたね。

11月26日に東京ドームでおこなわれたミサには5万人が集まったとのことです。これを伝えるテレビニュースを見ていたら、会場には〈ケセン語の聖書〉でも知られる岩手県大船渡市の山浦玄嗣(はるつぐ)さんの笑顔がありました。

日本テレビのニュース記事には、〈このミサの前後、教皇は東日本大震災の被災者との集いに参加し、祈りを捧げた。岩手県から参加した山浦玄嗣さんが、教皇のものに似せて作った絹の帽子を差し出すと、教皇はその帽子を自分の頭に乗せたという〉とありました。

11月24日の読売新聞でも、教皇と面会する山浦さんの話を紹介していました。


読売
読売新聞11月24日記事の一部イメージ


記事によれば、山浦さんがローマ教皇に会うのは今回が2回目です。1回目は2004年、聖書の福音書を岩手県沿岸部の方言に翻訳した功績が認められ、バチカンで当時の教皇ヨハネ・パウロ2世と面会しています。

読売記事で〈岩手県沿岸部の方言〉としてあるのはもちろん、〈ケセン語〉です。大船渡や陸前高田近辺の気仙地方の方言。気仙沼の言葉とも多くのつながりがあります。2016年2月10日には、本吉町「はまなすホール」で「ケセン語と気仙沼」をテーマに山浦さんの講演と詩の朗読がおこなわれています。

山浦さんについては何度かこのブログでも書いているのですが、そのひとつ、2014年10月16日ブログ「山浦玄嗣氏の受賞」を再録しておきましょう。


2014年10月16日ブログ
◎山浦玄嗣氏の受賞

10日ほど前、東急線の駅で手にした東急「Bunkamura(文化村)」広報誌の裏表紙を見て驚きました。そこには、〈ケセン語〉で知られる大船渡の山浦玄嗣(やまうら・はるつぐ)さんの『ナツェラットの男』(ぷねうま舎 刊)が、2014年度「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞したとのニュースが記されていたのです。知らなかった。

山浦さん
『Bunkamura magazine』2014年10月号裏表紙イメージ(一部)

山浦玄嗣さんについては、2011年にこのブログでも紹介しました。

2011年6月3日ブログ「ケセン語の山浦さん」

私は山浦さんを、28年前1986年2月放送のNHK「ぐるっと海道3万キロ」シリーズ「父さんがケセン語~南三陸ことばの旅」を見て知ったのです。受賞者プロフィールには次のように記されていました。

山浦玄嗣(やまうら はるつぐ)
1940年、東京市大森区山王生まれ。生後すぐ岩手県に移住し、大船渡市で育つ。医師・言語学者・詩人・物語作家。故郷の大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市唐丹町(旧気仙郡)一円に生きている言葉・ケセン語を探求する。掘り起こされたその東北の言語を土台として、新約聖書を原語ギリシャ語から翻訳した『ケセン語訳新約聖書四福音書』で知られる。2013年2月「バチカン有功十字勲章」受章。著書に、ケセン語研究が結実した『ケセン語入門』(1986)、故郷の歴史に材をとった物語『ヒタカミ黄金伝説』(1991)、福音書の新訳『ガリラヤのイェシュー──日本語訳新約聖書四福音書』(2011)などがある。(引用は以上)

少し補足すれば、山浦さんは東北大学医学部を卒業し、同大学で医学部助教授をつとめた後に故郷大船渡に戻りました。上記のNHKの番組では、大学での経験をいかし、〈ケセン語〉を話すときの頭脳の働きを断層写真で分析している様子も紹介されていたように思います。

東京・渋谷の東急百貨店に隣接する複合文化施設「Bunkamura」には、パリの老舗カフェ「ドゥマゴ」と提携したカフェ「ドゥマゴ パリ」があります。そして「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」は、パリ「ドゥマゴ」の常連客だった作家らが自分たちの手で独創的な若い作家に贈るために創設した〈ドゥマゴ文学賞〉の精神を受け継いで1993年に設けられました。たった一人の選考委員はその年ごとに変わり、今回は詩人の伊藤比呂美(いとう ひろみ)さんです。

ドゥマゴ文学賞 受賞作品サイト

なお、気仙沼の人には説明不要ですが、〈ケセン語〉の言語圏である気仙地方は、岩手県の大船渡市や陸前高田市などの周辺地域です。明治期の気仙郡エリアで、その南方に宮城県気仙沼市があります。ですから気仙沼の言葉は〈ケセン語〉と共通する部分も多いのです。ウィキペディアの「ケセン語」の文例でも、そうでがんす(そうです)んだがす(意味は左と同じ)んだがすぺぇ?(そうでしょう?)おだづなよ!(調子のんなよ!または、ふざけるな!)など、気仙沼でもおなじみの言葉が紹介されています。

作品の内容は上記の受賞作品サイトで選評をお読みいただくことにしますが、伊藤比呂美さんはよくぞ山浦さんの著書を選んでくださいました。まさに快挙です。山浦さん、このたびの受賞、本当におめでとうございました。

(再録内容は以上)

この再録ブログ中にも記した1986年(昭和61年)2月放送のNHK「ぐるっと海道3万キロ」シリーズ「父さんがケセン語~南三陸ことばの旅」は再放送も含めて何度か見ています。たしか録画したので探せばVHSのビデオテープが出てくるかもしれません。でもなあ、見つけ出したところで再生するVTR機がありません。1986年は昭和61年。33年前のこと。昭和は遠くなりにけり。

2016年3月23日ブログ「山浦さんの話し方」
 
スポンサーサイト



テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 山浦玄嗣 教皇フランシスコ

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

最近の記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
12 | 2020/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
RSSリンクの表示