解説スタジアムSP
10連休がおわって、やっといつもの日常が戻ってきたという感じでしょうか。
令和元年の初日、つまり2019年5月1日。午後4時からのNHK総合テレビは「解説スタジアム スペシャル」でした。NHKの解説委員が集まっての2時間の生放送。テーマは「令和の始まりに 新時代をどう生きる」です。
番組名にある〈スタジアム〉という言葉は、番組のねらいである議論をたたかわせるということからきているのだと思います。世界に類を見ない超高齢化・人口減少社会、つまり「少子高齢化社会」としての「令和」の時代をどう生きるべきか、歯に衣着せない議論を展開しようというこの番組で、気仙沼ニッティングが紹介されたのです。
番組では解説委員が議論をたたかわせます。開始から45分ほどしたところで解説委員の増田剛さんが、この日のテーマを考える上でのモデルになる女性を紹介しますということでビデオ収録内容が流れました。その画面をいくつか紹介しましょう。
はじめは、気仙沼ニッティング代表の御手洗瑞子(みたらい たまこ)さんの紹介です。その後、御手洗さんは、70歳を過ぎてから編み物の楽しさを知り、さらに学ぼうとしている編み手さんのことを話します。彼女を見ていて〈いくつになっても新しいことに心を開けて学ぶことができて自分は何が好きかを知っていると、相当ハッピーに生きられるものなんだなと思います〉と。


そして〈人(他人)のものさしとか、社会のものさしを自分にあてて自分をはかったり、もっと大きく見せようとしたりということではなくて、自分自身が何を大切に思うか、何をやっていると楽しいか、何を大切にしたいかということについて自覚的であること〉が大切なのではないかとも。

画面はスタジオにもどって、増田委員がつぎのように語ります。〈自分の好きなことに自覚的であること。それは同時に、学ぶことに上手になることにもつながると思います。学ぶ力があれば、自分の好きな道をどんどん切りひらいていくことができる。それが社会の多様性を生み、成熟の時代を育むことになると思います〉
それを聞いていた竹田忠委員が〈すごくいいね〉と反応。御手洗さんの〈自分のものさしではかる、考える。これは素晴らしい言葉〉だと。そして議論はつぎの話へと移りました。
繰り返すまでもないのですが、気仙沼ニッティングがこの番組でとりあげられたのは、日本の将来像や地域社会のあり方を考えるうえで多くの示唆を与えてくれるからだと思います。
たとえば、高齢化社会ということでは、年配の方が編み物で社会的な経済活動に参加することによって得られる生きがいなど。また、紹介映像の冒頭で御手洗さんが、ブータン政府の首相補佐役/フェローをつとめていたことも紹介されますが、意欲も能力もある若い方にとって彼女の働き方や価値観は大きな刺激となることでしょう。
御手洗さんは、毎日新聞のコラム「経済観測」執筆者のひとりとして3週間に1度ほどのペースで寄稿しています。その最新記事となる4月26日のコラム「ある編み手さんの話」では、79歳の「みきよさん」のことを紹介していました。みきよさんが編み手の仕事を始めたのは、わずか4~5年前のことです。そして御手洗さんは〈ひとはいくつになっても新しいことを学ぶことができ、自分の人生を自分の力で楽しくできる〉と記しています。解説スタジアムのなかで紹介された年配の女性はみきよさんでなく、「かつこ」さんでしたが、御手洗さんが語ろうとしていたのは同じことでしょう。
〈他人のものさしではなく、自分のものさしで物事をはかり考える〉そして〈ひとはいくつになっても新しいことを学ぶことができ、自分の人生を自分の力で楽しくできる〉。それは、若者であっても、私たちのように還暦をとっくに過ぎた世代でも、新しい時代をより良く生きようと思う人にとって、大切なメッセージであるように思います。解説スタジアム スペシャル。令和元年初日の印象に残る番組でした。
令和元年の初日、つまり2019年5月1日。午後4時からのNHK総合テレビは「解説スタジアム スペシャル」でした。NHKの解説委員が集まっての2時間の生放送。テーマは「令和の始まりに 新時代をどう生きる」です。
番組名にある〈スタジアム〉という言葉は、番組のねらいである議論をたたかわせるということからきているのだと思います。世界に類を見ない超高齢化・人口減少社会、つまり「少子高齢化社会」としての「令和」の時代をどう生きるべきか、歯に衣着せない議論を展開しようというこの番組で、気仙沼ニッティングが紹介されたのです。
番組では解説委員が議論をたたかわせます。開始から45分ほどしたところで解説委員の増田剛さんが、この日のテーマを考える上でのモデルになる女性を紹介しますということでビデオ収録内容が流れました。その画面をいくつか紹介しましょう。
はじめは、気仙沼ニッティング代表の御手洗瑞子(みたらい たまこ)さんの紹介です。その後、御手洗さんは、70歳を過ぎてから編み物の楽しさを知り、さらに学ぼうとしている編み手さんのことを話します。彼女を見ていて〈いくつになっても新しいことに心を開けて学ぶことができて自分は何が好きかを知っていると、相当ハッピーに生きられるものなんだなと思います〉と。




そして〈人(他人)のものさしとか、社会のものさしを自分にあてて自分をはかったり、もっと大きく見せようとしたりということではなくて、自分自身が何を大切に思うか、何をやっていると楽しいか、何を大切にしたいかということについて自覚的であること〉が大切なのではないかとも。


画面はスタジオにもどって、増田委員がつぎのように語ります。〈自分の好きなことに自覚的であること。それは同時に、学ぶことに上手になることにもつながると思います。学ぶ力があれば、自分の好きな道をどんどん切りひらいていくことができる。それが社会の多様性を生み、成熟の時代を育むことになると思います〉
それを聞いていた竹田忠委員が〈すごくいいね〉と反応。御手洗さんの〈自分のものさしではかる、考える。これは素晴らしい言葉〉だと。そして議論はつぎの話へと移りました。
繰り返すまでもないのですが、気仙沼ニッティングがこの番組でとりあげられたのは、日本の将来像や地域社会のあり方を考えるうえで多くの示唆を与えてくれるからだと思います。
たとえば、高齢化社会ということでは、年配の方が編み物で社会的な経済活動に参加することによって得られる生きがいなど。また、紹介映像の冒頭で御手洗さんが、ブータン政府の首相補佐役/フェローをつとめていたことも紹介されますが、意欲も能力もある若い方にとって彼女の働き方や価値観は大きな刺激となることでしょう。
御手洗さんは、毎日新聞のコラム「経済観測」執筆者のひとりとして3週間に1度ほどのペースで寄稿しています。その最新記事となる4月26日のコラム「ある編み手さんの話」では、79歳の「みきよさん」のことを紹介していました。みきよさんが編み手の仕事を始めたのは、わずか4~5年前のことです。そして御手洗さんは〈ひとはいくつになっても新しいことを学ぶことができ、自分の人生を自分の力で楽しくできる〉と記しています。解説スタジアムのなかで紹介された年配の女性はみきよさんでなく、「かつこ」さんでしたが、御手洗さんが語ろうとしていたのは同じことでしょう。
〈他人のものさしではなく、自分のものさしで物事をはかり考える〉そして〈ひとはいくつになっても新しいことを学ぶことができ、自分の人生を自分の力で楽しくできる〉。それは、若者であっても、私たちのように還暦をとっくに過ぎた世代でも、新しい時代をより良く生きようと思う人にとって、大切なメッセージであるように思います。解説スタジアム スペシャル。令和元年初日の印象に残る番組でした。
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