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気仙沼交流プラザ

4月13日(土)に気仙沼市の南町海岸の新施設「まち・ひと・しごと交流プラザ」がオープンしました。これは東日本大震災により被災した気仙沼市観光物産センター(エースポート)と気仙沼市勤労青少年ホーム(サン・パル)を合築再建した施設です。

同日の三陸新報の記事は〈内湾地区に「創」〉との見出しでこれを伝えています。「創」には〈ウマレル〉とのルビがふられています。この創(ウマレル)は、交流プラザの愛称とのこと。

記事

三陸新報4月13日記事の一部イメージ


この施設はすでに内湾に面してつくられた商業施設「ムカエル(迎)」と並んで建設されました。海側から見れば右にムカエル、左に交流プラザ(ウマレル)。このふたつが以前のエースポートにかわって内湾地区の風景の核となっていくのでしょう。

建物は3階建て。1階には観光船の券売所や待合ギャラリーなど。2階にはラヂオ気仙沼のスタジオや、気仙沼まち大学が運営するスクエアシップ、移住・定住支援センター「MINATO」など。3階には音楽スタジオや研修室、展望ラウンジなどが設けられています。この記事の下には落成を祝う合同広告が掲載されていました。


合同広告

三陸新報4月13日掲載広告の一部イメージ


私がおやっと思ったのは設計・監理会社です。株式会社アール・アイ・エー 東北支社の名がありました。もしかすると思って調べてみるとやはり。同社の前身は、戦前・戦後にかけて日本の近代建築を主導した建築家のひとり山口文象(ぶんぞう)らが設立したRIA建築綜合研究所でした。その後、(株)アール・アイ・エーと改称し現在は総合的な建築設計と都市計画コンサルタントとして活動しています。そして同社のサイトで近年の仕事を見てみると、あれもだったのかという驚きが。

まずは、渋谷駅ハチ公口前のQFRONT(キューフロント)。スクランブル交差点前のスターバックスコーヒーやSHIBUYA TSUTAYAがはいっているあのビルです。

qfront.jpg
QFRONT正面(RIAサイトより)

それから代官山T-SITE(Tサイト)も。蔦屋書店を中核とする商業施設群です。2014年2月には同年版漁師カレンダーに関して、気仙沼つばき会の高橋和江さんと斉藤和枝さんのトークイベントがここで開催されています。



T-SITEの一部(RIAサイトより)

渋谷、代官山ときて、もっと先に行けば二子玉川の再開発施設 RISE(ライズ)もそうでした。いずれもRIAさんのみの仕事ではなく、ほかの会社、事務所と合同しての仕事でしょうが、RIAの実績例であることは間違いありません。東急グループからの信頼がうかがわれます。

それぞれが、時代の先端というかおしゃれで現代的なイメージの建築デザインといってよいでしょう。それを知ったうえで、視線を気仙沼の内湾に移すと、交流プラザがさらに素敵に見えてきます。

広告の写真にうつっているのは、2階と3階でしょうね。鉄骨造りで開口部を大きくとりとても軽快な印象があります。1階は鉄骨鉄筋コンクリート造。気になるお値段、ではなく事業費ですが、市の報道資料によれば14億7700万円。設計、調査、工事、備品購入費を含みます。財源は復興交付金と震災復興特別交付税です。

気仙沼における著名設計会社/事務所の設計ということでは、2018年3月31日に開館した気仙沼図書館(と気仙沼児童センターの併設)を思い起こします。これは設計者選定のための公募型プロポーザル(コンペ)で最優秀者とされた岡田新一設計事務所の仕事です。岡田新一さんは最高裁判所をはじめ多くのすぐれた仕事を残した建築家ですが、2014年に死去されました。この気仙沼図書館の事業費は約20億円で、国の災害復旧事業としての再建です。インドネシアからの寄付金1億6000万円が活用されたことも忘れてはならないでしょう。この建物は今年、日本建築学会東北支部が主催する第39回 東北建築賞の作品賞を受賞しました。表彰式は5月11日です。

なんか、交流プラザ紹介のはずが著名建築家の流れをくむ事務所紹介になってしまいました。もうちょっとだけ続けて、気仙沼の建築で著名建築家が直接てがけたものを記しておきましょう。

ひとつは、リアス・アーク美術館。早稲田大学の石山修武(いしやまおさむ)さんの仕事。この〈作品〉は1995年に日本建築学会賞を受賞しています。石山さんは1984年に〈伊豆の長八美術館〉で吉田五十八(いそや)賞を受賞していますが、これは40歳のときの仕事だったのですね。石山さんと気仙沼のご縁についてはこのブログで何度も書いておりますが、そのひとつのリンクを以下に。

2011年12月17日「続/石山修武さん」

それと、建物としては〈小品〉となりますが、気仙沼の内湾地区にたつカフェ〈K-port〉。伊東豊雄さんの仕事です。オーナー渡辺謙さんと伊東さんのかねてからの親交によって実現したもの。伊東さんも多くの受賞歴がありますが、2013年にはプリツカー賞を受賞し大きな話題となりました。

山口文象、岡田新一、石山修武、伊東豊雄。気仙沼のことについて書いているこのブログで、(少々、無理くりではあるものの)この4氏のお名前を並べて書く日がくるとは思いませんでした。建築に興味のある方のご参考になればと。

話を交流プラザに戻します。この施設は、本日紹介したRIAさんの多くの知見が随所にいかされているはずです。街・人・仕事の交流の場として大いに活用されることを願っています。そのことをお伝えしたく。創/ウマレル、ピアセブンといった名称に関して感じたことはまたあらためて。

最後に。上掲の合同広告下部に、機械設備担当として(株)澤井製作所の名がありました。水道管工事などだと思います。〈みっちゃん〉こと澤井充君(3年4組)の会社です。上京した充君と銀座でビールを飲んだ話はつぎのブログにて。数寄屋橋の気仙沼交流プラザか(笑)。7年前の春のことでした。

2012年4月6日ブログ「澤井充君、上京」
 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 交流プラザ RIA

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プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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