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「施工ミス」の処分

気仙沼市の内湾/魚町地区の防潮堤を宮城県が誤って22cm高く施工した問題。その責任や処分に関する県からの報告が3月25日にありました。県の武藤伸子県農林水産部長らが気仙沼市役所で「内湾地区復興まちづくり協議会」ワーキング委員約20名に対して行われました。その内容は後述しますが、まずは3月27日の三陸新報記事。「釈然としない」との住民の反応を見出しとしています。

3月27日魚町防潮堤

三陸新報3月27日記事の一部イメージ


報告された内容は、後述する河北新報3月26日配信記事が詳しく伝えています。これによれば、県が報告した責任に関する結論は〈関わった設計業者、施工業者との3者がそれぞれ同等の責任を負う〉というもの。そして、見た目の高さを抑える背後地のかさ上げに要した費用など計9150万円は、責任割合に応じ3者が同額ずつ負担する方針も示されました。

ミスに関わった県職員の処分も公表されましたが、村井嘉浩知事の処分はありませんでした。まちづくり協議会の出席者からは「処分の妥当性が分からない」「知事に何も処分がないのはおかしい」などの声が相次いだとのこと。会合では、村井知事からのおわびの文書も配布されました。そのなかで知事は「私の不用意な発言で皆さまを傷つけたことを深くおわびする」と改めて謝罪しているとのことです。

県は今回の施工ミス問題で、設計業者の日本港湾コンサルタント(東京)と、施工業者の小野良組(気仙沼市)と佐藤庫組(北秋田市)で構成する復旧・復興建設工事共同企業体など6業者を6月24日まで3カ月間の指名停止処分としました。県のサイトで公表されている3月25日付け「指名停止情報」(PDF)によれば、設計業者および施工業者のミス内容はつぎのとおりです。

◎設計:(株)日本港湾コンサルタント
県から新水準点を基準にした図面を作成するよう指示されていたが、防潮堤杭の標高及び埋込長について表記ミスのある図面を作成し、県に提出したこと等から当該防潮堤が計画より22cm高く施工された。

◎施工:小野良組・佐藤庫組復旧・復興建設工事共同企業体
新水準点を基準とした魚町地区防潮堤の修正図面を、旧水準点を基準とした図面であると誤解して現地施工を実施し、また、施工途中の段階確認を一部実施せず、最終図面と現場との相違にも気づかなかったため、当該防潮堤を計画より22cm高く施工した。

県の責任は、工事監理が不徹底であったということになるのだと思います。気仙沼地方振興事務所の県職員10人がそれぞれ訓告、文書厳重注意、文書注意の処分を受けました。

私は、まちづくり協議会メンバー/地区住民の反応は理解できるものの、正直に言って、知事に対する処分がなかったことが妥当なのか否かについては判断できません。もともとは設計段階の表記ミスから始まったことで、初期において知事が高飛車な態度をとらずにお詫びをしていればここまでこじれることはなかったのにと、あらためて残念に思います。

ひとつ気になるのは施工ミスによって、県から3か月の指名停止処分を受ける企業に小野良組が含まれていたことです。以前のブログで施工ミスに地元企業が関係していなければよいがと記していたのです。3月27日の河北新報によれば、県の処分を受けて、気仙沼市の菅原市長は「市としても何らかの対応をする可能性が高い」とし「復興を進める上では影響がある」とも述べているそうです。

以上が河北新報の記事をもとにした、魚町防潮堤施工ミスに関する処分の概要です。三陸新報の記事は、かさ上げに要した費用9150万円の金額や施工ミスに関わった地元企業の名を記しておらず、ちょっと情報不足の感あり。もう少し県の報告を詳しく伝えて欲しかった。続報を望みます。


◎資料情報:河北新報配信記事3種          

以下にブログ記事の参考にした河北新報配信記事3種の内容を示します。記事のリンクで十分なのですが、案外早くリンクがきれてしまうため、資料として引用させてもらいます。

河北新報3月26日配信記事①
<気仙沼・防潮堤施工ミス>宮城県「県と設計・施工業者3者に同等責任」村井知事の処分なし

 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を宮城県が誤って22センチ高く施工した問題で、県は25日、関わった設計業者、施工業者との3者がそれぞれ同等の責任を負うとの結論を報告した。見た目の高さを抑える背後地のかさ上げに要した費用など計9150万円は、責任割合に応じ3者が同額ずつ負担する方針も示した。
 同日、市役所であった「内湾地区復興まちづくり協議会」の会合で武藤伸子県農林水産部長らが示した。
 県の担当者は2018年3月に誤りが発覚した防潮堤整備を巡り、3者間の指示、確認の不足があったと説明。設計業者が誤った図面を作成したことが発端となったとしながらも、「工事監理が不徹底でミスを発見できないまま工事が進んだ」と結論付けた。
 会合では、ミスに関わった県職員の処分も公表。気仙沼地方振興事務所の職員10人について、それぞれ訓告、文書厳重注意、文書注意の処分を20日付で通知したという。村井嘉浩知事の処分はなかった。
 県の報告に対し、地元出席者からは「処分の妥当性が分からない」「知事に何も処分がないのはおかしい」などの声が相次いだ。県は「過去の事例に基づいて決めた」と説明した。協議会の菅原昭彦会長は「職員だけの処分に釈然としていない人が多い。地元の声を知事に伝えてほしい」と求めた。
 現地での報告に先立ち、村井知事は県庁であった定例記者会見で「地元の皆さんにとって重要な場所でミスをした」と言及。地元向けの文書で「私の不用意な発言で皆さまを傷つけたことを深くおわびする」と改めて謝罪した。

◎6業者を指名停止
 宮城県は25日、気仙沼市内湾地区の防潮堤高が誤って施工された問題で、設計業者の日本港湾コンサルタント(東京)と、施工業者の小野良組(気仙沼市)と佐藤庫組(北秋田市)で構成する復旧・復興建設工事共同企業体(JV)など6業者を6月24日まで3カ月間の指名停止処分とした。このほかに処分を受けたのは、JVを構成する小野良組と佐藤庫組の2業者に加え、小野良組が関係する二つのJV。

河北新報3月26日配信記事②
<気仙沼・防潮堤施工ミス>知事は謝罪文のみ、処分は出先機関の職員…住民「釈然としない」

 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を県が誤って施工した問題で、宮城県は25日、気仙沼市役所であった内湾地区復興まちづくり協議会の会合で業者や職員の処分を明らかにした。住民側が求め続けた関係者の責任の所在がようやく示されたが、あくまで県の規定に沿った分かりにくい処分内容に住民は反発。「釈然としない」などと批判の声が上がった。

 「処分の中身がどの程度の重さなのかよく分からない」。県の担当者が示した業者、職員に対する処分内容に協議会のメンバーの一人が疑問を投げ掛けると、一気に不満が噴出した。
 県は業者に3カ月間の指名停止、県職員10人には通常は公表しない「訓告」「文書注意」などの処分を出した。武藤伸子農林水産部長は「過去の事例に基づいた処分」を強調したが、住民側からは「われわれは一生変えることができない(防潮堤の高さの)ミスをされた。(処分が)妥当とは思えない」などの不満の声が上がった。
 県は村井嘉浩知事の署名入りの謝罪文を協議会の場に出したが、「知事の責任が紙切れ1枚で済まされるのか」「会社に問題があれば普通は社長の責任になる。釈然としない」などと行政トップへの批判も出た。
 会合終了後、ある出席者は「処分の説明が雑だ」と反発。別の出席者は県の処分が全員、気仙沼地方振興事務所の職員だったことに触れ「トカゲの尻尾切りだ」と嘆いた。
 県が住民と設置する方針を示している地域振興策を協議する場の開催は未定だ。協議会の菅原昭彦会長は「みんな釈然としていない。県は住民と向き合う姿勢をしっかりと示してほしい」と注文した。

河北新報3月27日配信記事
<気仙沼・防潮堤ミス>市、事業者処分へ 指名停止など検討

 宮城県気仙沼市内湾地区の防潮堤高が誤って施工された問題で、県が施工業者や設計業者など6事業者を3カ月間の指名停止処分とした結果を受け、菅原茂市長は26日の定例記者会見で「市としても何らかの対応をする可能性が高い」と述べ、市も該当業者に指名停止などの処分をする考えを明らかにした。4月上旬にある指名業者の資格審査委員会で決まる。菅原市長は「これまでの事例では、処分は県と同様かそれより軽くなるのではないだろうか」と述べた。県が処分した業者には、東日本大震災の復興工事を多く請け負ってきた小野良組(気仙沼市)が含まれており、菅原市長は「復興を進める上では影響がある」と指摘した。

以上です。
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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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