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朝日町の今を見る

三陸新報「今を見る『途上の街』」は、気仙沼市や南三陸町の復興状況を写真で紹介するシリーズ記事。復興工事の初期の姿と現在の状況を比較して見せてくれるので、気仙沼を離れて暮らす私はいつも興味深く見ております。4月8日に紹介されていた〈途上の街〉は、気仙沼市朝日町でした。

岸壁1

岸壁2

いずれも三陸新報4月8日掲載記事より(クリックで拡大)

上の写真が撮影年月の明示はないものの〈今〉、下が2014年11月の撮影です。記事内容を引用します。

◎防潮堤ぐるり囲む
朝日町 造船、燃油施設工事が着々

海抜7.2mの防潮堤に囲まれた気仙沼市朝日町。旧商港側では、合併した造船4社による「みらい造船」の建設工事が行われている。船を持ち上げて防潮堤内に引き込むシップリフト方式が採用されており、その一部が海上に突き出ている。造成は終了し、現在は建屋の建設などに入っている。2019年に完成、本格稼働する。

その反対、大川河口側では、2019年の供用開始を目指し、漁業用燃油施設の工事が進められている。東日本大震災の津波で重油タンクが流出した教訓を踏まえ、防御対策を施したタンク5基が整備される。

三陸道の工事も進んでおり、気仙沼道路の一部・気仙沼横断橋(仮称)の橋脚がいくつも立ち並ぶ。(引用は以上)

上の写真のキャプションに〈造成が進み、区画が整理されてきた〉とありますが、進んでいるのはあくまで〈区画〉の造成です。「みらい造船」や燃油施設の稼働や供用は来年ですから、〈まだまだ時間がかかるな〉というのが実感。今年2月に内湾周辺地区を歩いて見たときも同様の印象を持ちました。復興が遅れているとも評される気仙沼の現状を象徴している写真かもしれません。

朝日町を囲む防潮堤の高さは海抜(かいばつ)7.2mとのことですが、見た目は2014年10月時点での情報では約5mとなります。見た目の高さではなく、海抜条件抜きで〈7.2mもの巨大防潮堤が町を取り囲む〉との記事に接すると、ちょっと説明不足じゃないかなと思ったりすることがあります。5mでも巨大すぎるのではないかと思うのですが、念のため。内湾地区ではかなりかさ上げして見た目の高さを減らすように計画されていますが、朝日町における景観への配慮は内湾ほどではないということでしょう。

これら朝日町の写真をながめていると、かつて私たちが〈商港岸壁〉と呼んだこの一帯は、工業地域としての性格を強めていくのだなとの印象を持ちました。17~18年前の夏の帰省時に、小学生だった息子や妻と〈岸壁〉で釣りを楽しみました。釣果はさほどではありませんでしたがとても楽しく、気軽に釣りを楽しむことのできる気仙沼の環境をうらやましく思ったものです。

とはいうものの、防潮堤が釣りの楽しみを奪ったと言いたいのではありません。それはあまりに短絡的すぎる話。そもそも、朝日町一帯は埋め立て地です。現在のどのあたりにあたるのかわかりませんが、小学校に入りたてのころに潮干狩りに行ったのもこの地域だったはず。潮干狩りを楽しめる自然環境が埋め立てで失われました。しかし、新たな釣り場としての楽しみを地元の人は見出したというわけです。

朝日町の〈海抜7.2mの防潮堤〉はすでにできあがっています。2014年10月には、神殿の列柱のごとき鋼管支柱が姿をあらわしていますから、宮城県議会で計画が承認されたのはそれ以前のことでしょう。計画に反対するとしても、実質的な意味を持ち得たのはその前年でしょうか。私の記憶では、内湾地区における防潮堤ほどには計画に対する議論はなかったように思います。そして今は2018年。時すでに遅しとの思いを強く感じます。

2015年10月28日ブログ「商港岸壁の防潮堤」
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テーマ : 東日本大震災支援活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 防潮堤 朝日町

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/66~67歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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