FC2ブログ

読売の防潮堤記事

11月11日で、震災から6年8カ月となりました。読売新聞が毎月11日に掲載する〈大震災 再生の歩み〉では、〈防潮堤 砂浜に優しく〉との見出しで特集記事を掲載していました。

読売1

読売新聞11月11日朝刊掲載記事の一部イメージ


記事では2つの事例を紹介しています。一つ目は岩手県野田村の十府ヶ浦(とふがうら)海岸で、ハマナスの群生地として知られた景勝地でした。浜辺の植物を内陸に用意された場所に砂ごと移植し、防潮堤の完成後に再び浜に戻して群生地を再生しようとする試みです。

この紹介の後に、気仙沼市の大谷海岸の事例が紹介されていました。説明図がわかりやすいので拡大しておきます。

防潮堤2

〈住民が説得〉という小見出しで始まる記事部も引用します。

◎住民が説得

 地元のシンボルだった砂浜を守るため、建設地の変更を実現させた地域もある。震災で死者・行方不明者が75人に上った宮城県気仙沼市・大谷(おおや)地区は、美しい海岸が観光資源だった。海水浴場は環境省の「快水浴場百選」にも選ばれたが、地震による地盤沈下で大部分が姿を消した。

 砂浜全体を覆う形の防潮堤計画が持ち上がると、「砂浜が消滅してしまう」と住民の困惑が広がった。「建設の是非ではなく、砂浜を守ることを目標にしたので住民がまとまれた」。行政側と交渉した住民団体「大谷里海(まち)づくり検討委員会」メンバーの三浦友幸さん(37)は振り返る。

 建設地を内陸側に移動する案を作り、約4年かけて国と県、市を説得。2016年7月に合意にこぎつけた。建設地の変更で確保した沿岸部の土地に、震災前と同規模の約2.8haの砂浜を復活させる計画だ。

 三浦さんは津波で自宅を流され、母の経子さん(当時56歳)は今も行方不明。「防潮堤のあり方は、震災後の街づくりに直結する。時間をかけてみんなで考えるべき問題だ」と語る。(記事引用は以上)



私は、環境アセスメントに関する記述のなかのつぎの一節が印象に残りました。「防潮堤建設に伴う自然環境への影響は見過ごされがちで、大半の工事は当初計画通りに進んでいる。防潮堤計画が決まらないと、街づくり全体が先に進めない。復興を急ぐため、早く事業を確定させることを優先した事情が背景にある。」事前の環境アセスメント調査が、海岸の防潮堤の場合は対象外となっていることも背景にあるようです。

今回の記事は、〈人命と自然〉という二つの軸で防潮堤の問題をとりあげていました。私はこの記事をありがたいと思いつつ、気仙沼で建設が進行する巨大防潮堤の問題は、〈自然〉というよりは、むしろ震災前と同様に普通の海が見える景観や暮らしなどではないかと感じました。大谷の人にとっては、それが砂浜であったと。その気持ちが、とてもよくわかります。

震災後6年8カ月。巨大防潮堤問題が、〈自然環境保護〉という観点のみの議論に集約されていくのではないかという危惧を少し感じたのです。そして、読売新聞をはじめとする3大新聞は、この問題を実際のところどのように考えているのだろうかとも。

8月1日ブログ「大谷防潮堤着工へ」
スポンサーサイト



テーマ : 東日本大震災支援活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 気仙沼中学 防潮堤 大谷海岸

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

最近の記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
RSSリンクの表示