祝!椹木さん受賞

10月30日のニュースで、美術批評家で多摩美術大学教授の椹木野衣(さわらぎ・のい)さん(53歳)が第25回𠮷田秀和賞を受賞されたことを知り、とてもうれしく思いました。

選評

水戸芸術館/第25回吉田秀和賞選評(pdf)の一部イメージ

受賞作品は「後美術論」(美術出版社刊)です。おぼえているかな、このブログの8月14日の記事で、椹木さんが雑誌「美術手帖」で気仙沼にあるリアス・アーク美術館の被災物展示が20頁にわたって論評されていることを紹介しました。美術手帖での現在の連載は、今回の授賞対象となった「後美術論」の第2部・流浪編。そうした、高く評価されている評論の対象に気仙沼のリアス・アーク美術館の名があるということを私はありがたく思ったのです。

上で紹介した画像は、𠮷田秀和賞の審査員のひとりである建築家磯崎新さんの選評の一部です。その中につぎの記述がありました。

「 このたびの著作『後美術論』のキーポイントは、後=ポストと美術=アートをくっつけたところです。記述されている様々な事件は過去半世紀にわたる、美術界と音楽界では鼻つまみとみられていた反社会的行為までを含むワイルドなパフォーマンスばかりです。それが著者自らの「好み」とみえます。べったりとその現場に踏み込んで叙述している。息もつかせぬ臨場感があります。あげくにこれまでの20世紀芸術の通説が動転し、崩壊がはじまる。これから何がうまれるのか、誰も説明できないところまでもその所在が示されています。」引用は以上

なるほど。気仙沼の津波被災物展示と〈モノ派〉の表現を重ね合わせるのも、まさに椹木さんの真骨頂というところでしょう。〈反芸術〉でも〈非芸術〉でもなく、〈後芸術〉か。あらためて、この著書、連載の表題がもつ深さに思いいたりました。

なお、吉田秀和賞は、水戸市芸術振興財団が主催する音楽・演劇・美術などの各分野における優れた芸術評論に贈られる賞。吉田秀和さんは、クラシック音楽が好きな方には説明不要でしょう。1988年に水戸芸術館の館長に就任しています。昨日は文化の日でしたが、吉田さんは2006年に文化勲章を受賞。2012年に98歳で逝去されています。

椹木さん、このたびの受賞、本当におめでとうございます。気仙沼出身者として、また多摩美に学んだひとりとしても大変うれしく思いました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

8月14日ブログ「高山登の教え子達」

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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 椹木野衣 吉田秀和賞 後美術論

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東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/64~65歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

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