「種をまく仕事」

アマゾンに予約していた『気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社』(新潮社)がおととい届きました。気仙沼ニッティング代表の御手洗瑞子(みたらい・たまこ)さんの新著です。一気に読了。気仙沼にとって、とてもありがたい一冊だと思いました。

気仙沼ニッティング
『気仙沼ニッティング物語』書影(帯付き)。帯の御手洗さんの写真は、先日このブログでも紹介した長野陽一さんの撮影です。

まずは本書の紹介文から。
「マッキンゼーのコンサルタントから、突如ブータンの公務員に。観光客を3倍にしブータン旋風を巻き起こした著者の、次の挑戦の舞台は震災後の気仙沼だった。被災地にとって大切なのは仕事をつくり出し、生活の循環を取り戻すこと。傷跡がまだまだ残る現地に単身入り、下宿しながら編み物会社を起業!会社は初年度から黒字となり、市に納税を果たすまでに。編み物で「世界のKESENNUMA」を目指し、毎日てんやわんや奮闘中」

『気仙沼ニッティング物語』はつぎの7章から構成されています。

1章 ブータンから気仙沼へ
2章 毎日が発見! 気仙沼生活
3章 編み物の会社を起ち上げよう
4章 恐るべし、気仙沼
5章 てんやわんやニッティング
6章 気仙沼ニッティングで学ぶ意外なあれこれ
7章 種をまき、木を育て、森をつくるような仕事

すべての章がやさしい言葉でとてもていねいに書かれています。そして私がとくに強い印象を受けたのが第7章です。小見出しをひろえば、種をまく仕事/編み手さんの望むこと/老舗の経営/幸せになる力/つつじの山を育てた人/豊かな森へ。

〈この気仙沼にこそ、100年続く会社をつくりたい〉と思っている御手洗さんはこの章で、自分ができることは〈種をまくこと〉だと記しています。そして、気仙沼の徳仙丈山(とくせんじょうさん)のつつじを育てた故 佐々木梅吉さんの話を紹介するのです。私はちょっと驚き、そして大変うれしく思いました。御手洗さんは、自らの役割を梅吉さんに重ねあわせてこう語ります。

「 震災後の東北に、働く人が誇りを持てる仕事を生み、人の暮らしのサイクルを取り戻す仕事をしようと考えたとき、それはトップダウンで成し遂げるのは難しい類のものであろうと思いました。むしろ、津波で多くが流されてしまったその土地に、種をまき、水をやり、木を育てて再び森をつくるような仕事なのだろうと。それは、佐々木梅吉さんのつつじの山と同じです。」

そしてつぎのように結びます。

「 いつか気仙沼ニッティングが、この地に深く根を張って、枝を悠々と世界に広げる立派な木に育ったとき、気仙沼の街全体にまた大きく豊かな森が広がっていますように。」

この御手洗さんの願いが、気仙沼の人はもちろんのこと、全国のひとりでも多くの方に届きますように。




佐々木梅吉さんと徳仙丈のツツジについては、以前このブログでも紹介いたしました。お手すきのときにでもお読みいただけばと。

2013年6月5日ブログ「徳仙丈のツツジ」
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テーマ : 東日本大震災支援活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 気中20 気仙沼ニッティング 御手洗瑞子

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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