BST/血と汗と涙

今日の東京は、風が少しあるものの、気持ちの良い晴天です。さて、5月17日の日曜日、世田谷文学館で開催中の「植草甚一スクラップ・ブック」展に妻と行ってきました。

植草甚一さんは、映画や文学そしてモダンジャズなど、実に幅広い分野で活躍された評論家というか文筆家。私は気仙沼高校に通っていたころに読んでいた矢崎泰久さんの雑誌「話の特集」の連載「緑色ズックカバーのノートから」でその名を知りました。それ以来の植草ファン。

世田谷文学館では、2007年に「植草甚一 マイ・フェイヴァリット・シングス」が開催されています。楽しい展覧会でした。第2回ともいっていい今回の展覧会は、世田谷文学館に寄贈された植草さんの草稿やスクラップ・ブックなどを中心としたものです。

会場の撮影は禁止されていましたが、一番最後の展示コーナー〈三歩屋〉だけは許可されていました。〈三歩屋〉は、植草さんが生前に構想していた古書店のイメージを展示室内に再現したものです。その一部はこんな感じ。

植草甚一展

ステレオは植草さんのものではなく、あくまで時代イメージの演出であるとのこと。ジャズ・ベーシストであるチャールズ・ミンガスの〈直立猿人(ピテカントロプス・エレクトス)〉が目立つように置かれていたのは想像の範囲内でしたが、驚いたのは、〈Blood, Sweat & Tears(ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ)〉の同名アルバムがあったこと。「道化師」(チャールズ・ミンガス)ジャケットの左下です。

ここからはちょっと思い出話。高校まで暮らした気仙沼市魚町の実家には、妙に立派なモノラルのレコードプレーヤーはあったのですがステレオはありませんでした。それだけに、高校生のとき、南町の中華料理店〈新京〉のうしろにあった門馬亨君(3年11組)の家で聞かせてもらった〈バック・イン・ザ・U.S.S.R.〉の〈ステレオ感〉には本当に驚きました。「ザ・ビートルズ」(ホワイト・アルバム)の冒頭。このことは以前書きましたね。

その後、私は仙台で一浪生活。そして、3月の入試を終えたときに、仙台の名掛丁(なかけちょう)にあった小松電気2階で、〈オールトランジスタ〉のステレオアンプ組立キットを購入したのです。〈日本サウンド〉とかいうブランドで、たしか1万3千円。合格後、大学生の暮らしにはステレオ音響が欠かせないと思ったのでしょうか。しかし、結果は不合格で2浪生活へ。そこで勉学にいそしめばよいのですが、せっかく買ったことだしということでアンプを組み立て、〈CEC〉のプレーヤーと、安いヘッドフォンも手に入れます。そして、はじめて買ったLPレコードが〈Blood, Sweat & Tears〉でした。

ブラス・ロックの先駆けだったと思います。当時は〈シカゴ〉なども人気でしたが、私が選んだのは〈BST〉。2枚目として買ったのは、ビートルズの〈サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド〉です。

なんか話が長くなっていますが、ジャズなどでも〈前衛〉をこよなく愛した植草さんの展覧会で〈BST〉のアルバムを見るとは思わなかったということなのです。

あるいは、〈BST〉のアルバムジャケットを久しぶりに見て、私の19歳の頃の〈血と汗と涙〉に満ちた浪人生活を思い出しました、とか。これでなんとかつながったか。つながってないよねえ、たぶん(笑)。本日はこれにて。

2014年1月17日ブログ「明日は門馬亨君の命日」
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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 植草甚一スクラップ・ブック BS&T

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

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