「大人の迷子たち」

ソチ五輪・フィギュアスケートの浅田真央選手やスキージャンプ女子個人ノーマルヒルで惜しくもメダルを逃した高梨沙羅選手について、このブログで書いたのは今年2月。コピーライター岩崎俊一さんの東急電鉄PR誌〈SALUS/サルース〉連載「大人の迷子たち」を紹介しながら書きました。〈不幸な体験は、ある日、財産に変わっている。〉というタイトルでした。そして最新号〈SALUS〉1月号の記事タイトルは〈昭和30年代を目撃した人間の責任。〉

岩崎さん記事

文章はつぎのように始まります。〈この連載が始まって丸5年になろうとしている。書籍化するための打合せをしていた時、尽力してくれた人に指摘されたことがある。「このシリーズの重要なテーマは、昭和ですね」〉

岩崎さんはそれまで、昭和というテーマを特別に意識することはなかったそうですが、鋭い指摘だと思ったそうです。そして次のように続けます。

〈(この連載を)書きながら、確かに僕は、少年時代にあたる昭和30年代と今の生活の、とんでもない落差に驚いていた。それはさながら、異なる世界に住むふたりの人間の、違う人生を見るようだった〉

岩崎さんは10年ほど前、東急沿線で、谷内六郎さんの週刊新潮の表紙絵を使ったポスター広告を手がけました。遺作1300枚の絵から選んだ作品に岩崎さんの言葉を添えて3年あまり続いたそうです。私はその広告をいつも感心してながめていました。絵はもちろんのこと、岩崎さんと知らずに読んでいた言葉もすばらしかった。

そして、その過去につくったポスター30点に新たな31点を加えた61枚が掲出される「昭和展」という展覧会が12月27日から来年1月5日(月)まで、西武池袋本店で開催されると記されていました。これは、かならずいかなくちゃ、と思っていたやさきでした。岩崎さんの訃報〈かねてより療養中のところ12月20日、満67歳にて永眠されました〉。

ことし10月、〈SALUS〉連載からの49話をまとめた『大人の迷子たち』(廣済堂出版)が刊行されたばかりでした。手元にある同書の目次。第2話は〈同窓会のあと、同級生のことが、少し好きになっていた〉。最後の49話は〈帰りたい故郷がある国の、幸福〉。あまり泣かせないでください、岩崎さん。

丸5年になるという連載最後の文章、第54回目はつぎのように結ばれています。〈昭和30年代と平成20年代の両方を知る人生。僕が書き残すべきことはとても多いと思っている〉

私も、もっともっと岩崎さんの文章が読みたかった。残念です。合掌

2月20日ブログ「財産に変わる経験」


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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 気仙沼高校 岩崎俊一 大人の迷子たち

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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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