山浦玄嗣氏の受賞

10日ほど前、東急線の駅で手にした東急「Bunkamura(文化村)」広報誌の裏表紙を見て驚きました。そこには、〈ケセン語〉で知られる大船渡の山浦玄嗣(やまうら・はるつぐ)さんの『ナツェラットの男』(ぷねうま舎 刊)が、2014年度「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞したとのニュースが記されていたのです。知らなかった。

山浦さん
『Bunkamura magazine』2014年10月号裏表紙イメージ(一部)

山浦玄嗣さんについては、2011年にこのブログでも紹介しました。

2011年6月3日ブログ「ケセン語の山浦さん」

私は山浦さんを、28年前1986年2月放送のNHK「ぐるっと海道3万キロ」シリーズ「父さんがケセン語~南三陸ことばの旅」を見て知ったのです。受賞者プロフィールには次のように記されていました。

山浦玄嗣(やまうら はるつぐ)
1940年、東京市大森区山王生まれ。生後すぐ岩手県に移住し、大船渡市で育つ。医師・言語学者・詩人・物語作家。故郷の大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市唐丹町(旧気仙郡)一円に生きている言葉・ケセン語を探求する。掘り起こされたその東北の言語を土台として、新約聖書を原語ギリシャ語から翻訳した『ケセン語訳新約聖書四福音書』で知られる。2013年2月「バチカン有功十字勲章」受章。著書に、ケセン語研究が結実した『ケセン語入門』(1986)、故郷の歴史に材をとった物語『ヒタカミ黄金伝説』(1991)、福音書の新訳『ガリラヤのイェシュー──日本語訳新約聖書四福音書』(2011)などがある。(引用は以上)

少し補足すれば、山浦さんは東北大学医学部を卒業し、同大学で医学部助教授をつとめた後に故郷大船渡に戻りました。上記のNHKの番組では、大学での経験をいかし、〈ケセン語〉を話すときの頭脳の働きを断層写真で分析している様子も紹介されていたように思います。

東京・渋谷の東急百貨店に隣接する複合文化施設「Bunkamura」には、パリの老舗カフェ「ドゥマゴ」と提携したカフェ「ドゥマゴ パリ」があります。そして「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」は、パリ「ドゥマゴ」の常連客だった作家らが自分たちの手で独創的な若い作家に贈るために創設した〈ドゥマゴ文学賞〉の精神を受け継いで1993年に設けられました。たった一人の選考委員はその年ごとに変わり、今回は詩人の伊藤比呂美(いとう ひろみ)さんです。

ドゥマゴ文学賞 受賞作品サイト

なお、気仙沼の人には説明不要ですが、〈ケセン語〉の言語圏である気仙地方は、岩手県の大船渡市や陸前高田市などの周辺地域です。明治期の気仙郡エリアで、その南方に宮城県気仙沼市があります。ですから気仙沼の言葉は〈ケセン語〉と共通する部分も多いのです。ウィキペディアの「ケセン語」の文例でも、そうでがんす(そうです)んだがす(意味は左と同じ)んだがすぺぇ?(そうでしょう?)おだづなよ!(調子のんなよ!または、ふざけるな!)など、気仙沼でもおなじみの言葉が紹介されています。

作品の内容は上記の受賞作品サイトで選評をお読みいただくことにしますが、伊藤比呂美さんはよくぞ山浦さんの著書を選んでくださいました。まさに快挙です。山浦さん、このたびの受賞、本当におめでとうございました。

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tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 山浦玄嗣 ドゥマゴ文学賞

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気中20回生支援会

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東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

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