イエスタデイ

気中の学校市長になって、ちょっと一生懸命にやったことのひとつが校内放送。毎日だったか週に数回だったかは忘れましたが、昼休みの全校内に音楽を流したのです。校庭にもね。

お昼の弁当を急いで食べて「放送があるから」とかなんとか言って職員室の脇にある放送室に駆け込みます。アンプのスイッチを入れ、マイクをコツッコツッとたたいて真空管が暖まったことを確認したら、ポポポポーンっとチャイムを鳴らします。そしてこんなぐあいに始めます。

「今日はミュージカル映画『サウンドオブミュージック』のサウンドトラック版をご紹介します。曲目は~~~です。ではどうぞ」とやるわけ。そのなかの「ひとりぼっちの山羊飼い」の「山羊」を「やまひつじ」と読んじゃったことがありました。クラスに帰ったら、「オダ、あいづは “やぎ” でねえのが」と。恥の多い人生。

レコードは、学校教材のほか放送係や友達から借りました。ある日、7月29日に書いた歌唱班でも一緒だった吉野信雄君(3年1組)に、なにかいいレコードがないかと相談したのです。そして実現したのが「吉野君が紹介するビートルズ」。あの成績優秀で真面目な吉野君がビートルズやロックが大好きだったんです。意外でしょ。

その日のことを再現するとこんな具合です。曲をかける前に、DJ吉野が説明します。
「みんなビートルズを知ってるかい。もちろん知ってるよね。イギリスはリバプール出身の4人組。ロックンロールやご機嫌な曲が多いけど、そればっかしじゃないよ。素敵なスローバラードも歌っているんだ。今日はそんな曲のなかでもとびっきりの一曲を紹介しちゃいます。ポールマッカートニーが歌う、イエスタデイ。おしゃべりはそのあとで」って。もちろん、うそですよ。もっと真面目にしゃべりました。

今からすると、イエスタデイをかけても何の問題もないと思うでしょうが、私と吉野君にとって学校でビートルズを流すというのは、なにか冒険のような気がしたのです。放送が終わったあと、不思議な高揚感があったことを覚えています。

気中にイエスタデイが流れた日。あの日のことも、こうして思い出してみると、まさに「オンリー・イエスタディ」。つい昨日のことのようです。
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気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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