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旭が丘の名称由来

10月19日の三陸新報に「旭が丘学園の名称由来について」という投稿記事が掲載されていました。投稿者は社会福祉法人 「旭が丘学園」理事長の菅原昭さんです。


10月19日旭が丘
三陸新報10月19日掲載記事より


菅原理事長は「児童養護施設旭が丘学園」の名称由来などを質問されることがよくあるといいます。同学園に身を置いて60数年、いまその由来を知るのは自分ぐらいかと思い、多くの方の記憶にとどめてもらうための記録として投稿したそうです。

はじめは旭が丘学園の沿革が紹介されます。まずは、司法大臣の認可をいただき「本吉少年訓練所」「本吉少年農場」「拓濤園」などの名称を経て、1949(昭和24)年 児童福祉法により、「養護施設拓濤学院」となりました。財団法人化の後1952(昭和27)年に社会福祉事業法の制定によって、社会福祉法人に組織変更して「養護施設 旭が丘学園」と改名、厚生大臣の認可を受けました。

養護施設に認可される前は国からの補助などはなく、自活のためにいろいろな事業を子どもたちの職業訓練に合わせておこなっていたそうです。「拓濤院」の時代には、鹿折・浪板地区の埋め立て事業や、養豚のための市内での残飯集めなども、入所児童の仕事になっていました。

ここからが学園の名称由来になります。旭が丘学園が、現在の舘山(たてやま)2丁目に移転したのは1967(昭和42)年で、それまでは本町の中央自動車学校があった場所にありました。そしてそこが「旧跡・旭が丘舘」であったことから「旭が丘学園」の名称とさせてもらったと。この由来については、菅原さんが、学園の創設者である黒澤次夫(文超)氏とその頃の職員の方から聞いたそうです。

「旧跡・旭が丘舘」の詳しい説明がありませんが、後半に土器が出土した話などがありますので、「旧跡」というよりも「遺跡」のイメージでしょうか。気仙沼市史/補遺編の考古・古文書等資料における市内遺跡調査の記述では、「平館」(たいらだて)、「猿喰東館」(さるはみひがしたて)、「陣山館」(じんやまたて)など、「舘」ではなく「館」の字を用いて、「だて/たて」と読ませています。「旭が丘舘」の記述はありません。

「旭が丘舘」の「舘」も、「たて/だて」と読むのでしょう。現在の住所表記「舘山(たてやま)」をふまえれば、「あさひがおかたて」が自然かもしれません。学園名のみならず「舘山」の由来も知ることができました。なお、調べてみると、ざっくりいえば「舘」は俗字で「館」が正字なのだそうです。逆かと思っておりました。

「旭が丘舘」について念のためと思い、『目で見る気仙沼の歴史』(昭和47年 気仙沼ライオンズクラブ発行)を調べてみると、「市内遺跡(貝塚、古墳)分布図」(p12)に記述がありました。「旭が丘遺跡(縄文前期)」として「自動車学校の北側から出た。土器はきわめて粗製で、色は赤味をおびた土色でもろい」との説明も。

菅原さんの文章には続きがあります。約60年前に聞いた補陀寺(ほだじ)千葉裕和 和尚のお父様の話です。500年前に補陀寺があった場所は、以前の旭が丘学園や中央自動車学校があったところだと語っていたそうです。しかし、土手の前が海で、その浸食によって危険になり現在の古町に引っ越したのだと。

この話を読んで、45年ほど前、大学の夏休みで帰省中のときに中央自動車学校へ通ったことを思い出しました。めでたく運転免許合格となったときに、運転コースの裏山に設けられたお不動様の寺院というかお堂のようなところで、自動車学校を経営していた黒澤文超さんによる祈祷を受けたような気がします。交通安全祈願というようなことでしょう。

なお、気仙沼文化史年表にも、本吉少年訓練所にはじまる旭が丘学園に関する多くの記述がありますが、その原点ともいうべき項目は「昭和15年(1940)12月30日 黒澤次夫 西風釜に司法保護団体事務所を設立」との記述です。ご参考まで。西風釜(ならいがま)は南町の旧称。黒澤さん経営の丸拓は南町の小野良組の並びにあったことを思い出します。

旧跡・遺跡、そして寺院もあった「旭が丘舘」。とても古い歴史をもった場所だったのですね。知らない話が多く、とても興味深く読ませていただきました。菅原理事長、ありがとうございました。

2016年12月29日ブログ「あたたかなきもち」
 
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テーマ : 気仙沼
ジャンル : 地域情報

tag : 旭が丘学園

プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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