内湾の苦渋の選択

11月27日三陸新報記事の一部イメージ
毎日新聞が26日と27日にニュースを配信しています。27日の内容を紹介しておきます。
「気仙沼防潮堤、復興計画へ第一歩 確定にはさらに時間も
26日に宮城県気仙沼市で開かれた気仙沼内湾地区の復興町づくり協議会の全体会は、県の当初案より低い高さ3.8mでの防潮堤建設を軸とした提言書案を確認した。県が進める計画に最も強硬な姿勢を示していた「気仙沼の顔」といえる同地区が、建設受け入れの方向を示したことで同市中心部の復興計画は大きく動き出した。防潮堤をめぐる話し合いが難航している県内他地区にも影響が広がりそうだ。
提言書は、県の示したシミュレーションの中から、「湾口防波堤採用と余裕高1mを除く3.8m防潮堤」のプランでの整備を前提とすることを明記。余裕高を確保するため、防潮堤上には津波時の水圧で自動的に上がるフラップゲートなどを採用するよう求めた。
内湾北側の魚町地区については、地盤をかさ上げし防潮堤の圧迫感を軽減することを要望。内湾最奥部の南町地区では、内陸側にセットバックした位置での建設を前提に、緑地や通路と一体となった防潮堤整備を提言した。また、内湾南側の港町地区は、後背地の崖を防潮堤の代用とすることによる無堤化を前提に、防潮堤の外側にある「堤外地」として住宅は設けず、水産関連事業所や店舗の整備を図る考えを盛り込んでいる。」
毎日新聞11月26日配信記事
毎日新聞11月27日配信記事
13日のブログで紹介したように、陸から見た防潮堤の高さが1.6mというところがポイントなのでしょう。冒頭の画像で紹介した三陸新報の記事では次のように書いています。
「協議会としての意向はまとまっても、湾口防波堤の整備には、水質への影響、船舶の安全航行などの課題がある。海底に設置する浮上式防波堤を否定した県が、陸上設置のフラップゲートを認めるかどうかの問題もあり、提言通り実現するかどうかはまだ不透明だ。県、市ともに湾口防波堤以外の手法も模索している。」
まちづくり協議会の会長は、魚町〈男山本店〉社長の菅原昭彦さん。この11月に気仙沼商工会議所の新会頭に就任しました。〈スローフード気仙沼〉の理事長ほか、気仙沼の次世代のリーダーとして活躍してきました。〈防潮堤を勉強する会〉でも発起人代表的な役割を担い、抑制をきかせながらも巨大防潮堤計画に疑問をなげかけてきました。その菅原さんら魚町や南町の人たちが選択した提言案〈3.8m〉は、まさに〈苦渋の選択〉といってよいでしょう。
気仙沼では、この内湾だけでなく、各浜での防潮堤計画が進行しています。それらの動きがどうなっていくのか。11月19日の〈防潮堤を勉強する会〉では、今後の活動についての相談が行われたと聞いています。今回の内湾地区の動きとどう関係しているのか。魚町で生まれ、あの内湾を見て育った私は、新聞記事を読みながら〈やっきもっき〉するばかりです。
11月13日ブログ「内湾防潮堤の高さ」
テーマ : 東北地方太平洋沖地震義援金、災害援助
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