FC2ブログ

池澤夏樹氏の書評

週刊文春9月6日号の書評記事〈私の読書日記〉で、作家の池澤夏樹さんが気仙沼市魚町出身の川島秀一さんの著書をとりあげていました。以下に紹介します。


週刊文春9月6日号の表紙イメージ

「民俗学は土地とのつながりの深い学問である。自分の郷里を研究のフィールドにするのは当然。
 川島秀一は気仙沼に生まれ育ち、今回の津波で被災した。『津波のまちに生きて』(冨山房インターナショナル)は、まず小学校二年生の時のチリ津波など、自分の幼児体験から始めて、去年三月十一日に母を失ったいきさつを語る。
 その先で気仙沼という町のこと、漁師たちの暮らしと文化、津波に対する人々の姿勢、などなど民俗学者としての研究成果を次々に語る。
 ぼくはたまたま先月の末に気仙沼を訪れ、建物が失われたままの港からがらんとした商店街のあたりを巡った。それで復興がまだまだ遠いことを実感していから、格別の興味をもって読んだ。
 川島の名は去年復刻された山口弥一郎の名著『津浪と村』(三弥井書店)に解説を寄せている人として記憶していた。川島にとって山口は東北生まれの民俗学者として先輩にあたる。学恩は深い。
 川島が紹介する山口の「津波後は旅のものによって満たされる」という言葉のこと。
 これはむしろ社会学的な現象だ。津波で多くの人を失った地域に他から人々が流入する。家族全員が亡くなった場合、まったく無縁な男女を合わせて家督を相続させ、家名を維持することもある(同じ例をぼくは天明の浅間大噴火の記録で読んだことがある。
 それやこれやで被災地は流入者で満たされてゆく。
 津波の後で高台移転が論じられるのは当然だが、その原則がやがて崩れる理由として、「津波後の移入漁民などが、危険を知らずに浜近く納屋を建てて、豊漁続きで産をなしたりすると、古くからの地元漁民は堪えられず、現地に戻ってしまう」というのはいかにも納得できる話だ。
 漁労の現場から災害を見る。行政とメディアに欠けたものが補われる。」

書評内容は以上です。これまでも多くのメディアで紹介されてきた川島さんの著書ですが、池澤さんも高く評価してくれています。この書評をきっかけにさらに多くの人に読んでいただけたらと思っています。

スポンサーサイト



テーマ : 東北地方太平洋沖地震義援金、災害援助
ジャンル : 福祉・ボランティア

tag : 気仙沼 気中20 気仙沼中学 川島秀一 津波の町に生きて 池澤夏樹

プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/67~68歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

最近の記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
09 | 2012/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
RSSリンクの表示