2つの大谷防潮堤

きのう8月9日の三陸新報に、気仙沼市大谷(おおや)地区の防潮堤に関する記事が掲載されていました。私は、〈4年ぶりに説明会〉との見出しに一瞬おどろきました。大谷海岸の防潮堤は12月着工ではなかったかと。しかしこれは早とちり。記事は〈大谷漁港〉の防潮堤で、気仙沼市が計画しているものについてでした。

大谷漁港防潮堤

三陸新報8月9日記事の一部イメージ

記事によれば、説明会は2013年11月以来、2度目とのこと。この大谷漁港の防潮堤は、県が大谷地内に建設した防潮堤に接続し、海抜9.8mの高さで、当初は漁港を囲うように整備する計画だったそうです。

これに対しての住民らの意見を受けて気仙沼市は8月7日に2案を提示しました。2案とも防潮堤の延長は350〜400m。県の防潮堤との接続場所付近の〈陸こう〉には津波の浮力で起き上がるフラップゲートを取り付けます。

双方の案で違う点は、JRが復旧予定のBRT専用道と防潮堤との関係です。交差部を立体交差にする案と、踏切による平面交差の2案が示されています。立体交差は安全面のメリットがあり、平面交差は兼用堤とするためにBRTからの景観が確保できるとのことです。説明会では、大きな反対意見はなかったものの、案を絞り込むまでには至らず再度説明会を開くことを了承し、関係者の意見を聞きながら計画を一本化していく方針が確認されました。

私はこの記事を読んで、JR大谷駅などを含む大谷海岸と大谷漁港の位置関係がよくわかりませんでした。地図で確認すると、大谷漁港は御伊勢浜海水浴場に連続して、その南西部にあるのですね。

主に県が主体となって進める大谷海岸防潮堤の計画が定まったことで、それに接続する市による大谷漁港防潮堤の協議が始まったということなのでしょう。〈大谷〉の防潮堤といわれると、それで分かったような気にもなりがちですが、注意しなければなと思いました。そういうことでの記事の紹介でした。

8月1日ブログ「大谷防潮堤着工へ」
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大谷防潮堤着工へ

7月27日(金)の三陸新報が、気仙沼市本吉町の大谷(おおや)海岸における防潮堤整備計画がまとまり、12月の着工を目指して進められることになったと伝えています。

7:27大谷兼用堤
三陸新報7月27日記事の一部イメージ

この大谷海岸防潮堤については、昨年8月3日のブログでつぎの記事を紹介しています。


三陸新報8月2日の記事の一部

つまり、〈兼用堤〉とは、防潮堤と国道を一体化して兼用するもの。27日の三陸新報の記事によれば、滝根川から西側のはまなす海洋館前の防潮堤は、景観配慮のため原型復旧とし、国道との兼用堤は海側の斜面の全面に段差をつけ、随所に階段を設けるとのことです。(宮城県の)気仙沼土木事務所は、2020年の完成を目指し12月に工事を発注したいとのことです。ここに至る経緯について、三陸新報の記事を引用しておきます。

〈防潮堤整備計画を巡っては、2011年7月に初めて案が示されたが、砂浜が失われることから地元振興会などが反対。2014年9月に住民有志による「大谷里海づくり検討委員会」が発足し、住民意見をまとめながら行政と議論を深め、前回の説明会(昨年7月)で大筋合意していた。〉(引用は以上)

きのう7月31日のブログでは、Yahoo!ニュースの防潮堤特集記事を紹介しました。その記事でも地域住民の意向の反映という課題が指摘されています。この大谷地区の防潮堤/兼用堤は、行政(主として県)と住民との対話や折衝の大きな成果事例といってよいでしょう。と、文字で書くのはたやすいのですが、それぞれの当事者は本当に大変だったと思います。なんとか双方の合意点をみつけて着地した関係者の皆様に心からの敬意を表したく、記事を紹介いたしました。本当にご苦労さまでした。


当ブログでは何度か大谷の防潮堤に関する経緯を紹介してきました。つぎのリンクをご覧いただければと。

2015年9月3日「大谷の兼用堤要望」
2016年8月1日「大谷防潮堤見直し」
2016年8月3日「大谷防潮堤の続報」

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ヤフー防潮堤特集

気仙沼市大谷地区の防潮堤に関する記事を紹介しようと思っていたのですが、7月28日(金)にYahoo!ニュースが、防潮堤に関する特集を配信していたのでまずはこちらを。タイトルは〈巨大防潮堤で「海が見えない」 防災か日々の暮らしか〉。

ヤフー
「Yahoo!ニュース 特集」7月28日配信記事より(クリックで記事にジャンプ)

この記事は、他のメディアからの転載ではなく、ヤフーの独自取材によるもので、筆者は笹島康仁(ささじま・やすひと)さん。高知新聞記者を経て、2017年2月からフリーで活動されているとのことです。

詳しい内容は、記事をお読みいただきますが、静岡県松崎町、気仙沼市、茨城県大洗町の3カ所。気仙沼では、気中21回生の川島秀一さんが取材に応じています。プロフィールで、東北大学災害科学国際研究所の川島秀一教授は〈長年、全国の漁村で住民らの話を聞き集めてきた。気仙沼の歴史にも詳しい。東日本大震災では自らも被災。津波で母を亡くし、自宅と貴重な史料も失った〉と。

川島さんは、気仙沼漁港の高さ約6メートルの防潮堤に設けられたアクリル版の小窓を初めてみたとき、「力が抜けました。海と生きてきた人たちをばかにしていると思いました」と振り返り、つぎのように続けています。

「あまりにも生活感がない。巨大な防潮堤は『海は危険なもの』とみなし、地域から遮断する発想です。『あんなに巨大なものは要らない』と多くの人が思っているのに次々と工事が進んでしまう」(引用は以上)

ここまで率直な川島さんの言葉が紹介されるのは案外めずらしいことかもしれません。川島さんは、これまでの調査、研究を踏まえていろいろと話し、最後に「地域に生きる人々を信頼しないケースがあまりに多い。それが復興を遅らせています」と。

巨大防潮堤の問題については、大震災から6年以上たって、それを取り上げるメディアも少なくなってきたことを残念に感じていました。それだけに、ヤフーニュースの多くの人が目にするトピック記事として紹介されたことに驚いたのです。皆様にも記事本文を是非お読みいただければと。

5月3日ブログ「内湾の防潮堤工事」

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日門漁港の防潮堤

2月26日の三陸新報の一面トップ記事〈ニュースを追って〉は、大谷の海水浴場から南西方向にある日門(ひかど)漁港の防潮堤問題をとりあげていました。

2月26日日門漁港
三陸新報2月26日記事の一部イメージ

記事のリード部を引用します。

〈県が気仙沼市本吉町の日門漁港に計画している、海抜9.8mの高さの防潮堤に、住民が反発している。昨年末に示された計画は、国道から見える海や港の景色をさえぎるものだった。生命と財産を守ろうと理解を求める県に対し、「到底受け入れられない」と待ったをかける住民。両者の考えに隔たりが大きく、議論の長期が予想される。〉(引用は以上)

宮城県(気仙沼地方振興事務所水産漁港部)が昨年末の説明会で示した計画では、国道に沿うような形で延長約280mの防潮堤を築きます。数十年から百数十年のペースで発生するL1津波に対応するためとされています。

三陸新報の〈ニュースを追って〉は、気仙沼周辺地域の課題や問題点を通常の記事よりも一歩踏み込んで伝える記事。今回は、守竜太記者の署名記事となっています。

本日この記事を紹介したのは、日門の防潮堤問題について知って欲しいということもあるのですが、それ以上に気仙沼における防潮堤に関する議論が低調になっているのではないかと感じているからです。気仙沼の〈防潮堤を勉強する会〉の活動も内湾の防潮堤計画が定まったあとの動きは聞こえてきません。私からすると、港町から魚市場までの防潮堤はその後どうなっているのかなど気になることも多いのですが。ごめんなさいね、勝手なことを言って。元市民の声ということで許してください。

三陸新報さんはこの防潮堤についてどう考えているのでしょうか。記事の筆者である守記者はつぎのように書いています。

〈県の考え方から、高さを変えること、無堤とすること、さらに背後の国道かさ上げなど、どの方向性を目指すにしても、日門の地理的条件などが加わってハードルは高い。どこまで計画変更が可能かどうかは、今のところ見通せない。
隣の大谷海水浴場周辺では、住民が粘り強く行政機関と話し合った結果、当初の計画を変更し、互いに納得した結果を導き出している。大島浦の浜なども同様で、住民の熱意が行政を動かした事実がある。〉(引用は以上)

確実に一歩は踏み込んでいるのですが、さらにもう一歩をと思うのは私だけでしょうか。それでも、一面トップにこの記事をもってきたということで十分に気持ちは伝わりました。6年近く経って、大震災の記憶の風化とよく言われます。しかし、少なくとも防潮堤の問題に関しては、被災地気仙沼の人の関心も薄くなっているのではないでしょうか。杞憂であればいいのですが。

2016年8月3日ブログ「大谷防潮堤の続報」

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大島浦の浜/空撮

きのう12月12日のブログで、気仙沼大島の山本馨医師退職について書きました。その末尾に、河北新報の関係記事のリンクを貼っておきましたがご覧になりましたでしょうか。その記事の大島の空撮写真が印象に残りましたので、本日あらためて紹介します。

大島浦の浜
河北新報12月16日配信記事より(画像クリックで記事にジャンプ)

手前に見える港が〈浦の浜〉で、向こうに望むのが〈田中浜〉です。小さなころの夏休みに大島に海水浴に行ったときは、巡航船で浦の浜に着き、そこからバスで田中浜を左に見ながらお隣の〈小田の浜〉に行きました。ヒョウタンにたとえれば、くびれたところが写真にうつっています。土色に見える部分が多いのですが、これは津波で被災した跡なのでしょうか。

写真は本年2月28日撮影とのこと。浦の浜の防潮堤建設のための整備がだいぶ進んでいるようにも見えますが、まだ堤防の高さは感じられません。ちょうど一年前のブログでお伝えしましたが、この地区の防潮堤は、昨年12月5日、海抜7.5mの高さで2段階の傾斜をつけて景観に配慮した案に住民側が大筋で合意しました。その約3カ月後の写真ですから、計画修正前の写真ということでしょう。

このニュースを伝える三陸新報はこんな感じでした。再録します。

12月8日大島
三陸新報2015年12月8日記事の一部イメージ


10カ月前に撮影した河北新報写真と、三陸新報記事にある完成イメージとでは道路の取り付けが違うようですが、これが設計変更の結果なのでしょう。イメージ図でもわかりにくいのですが、防潮堤は2段階で高くなっていきますので、全体としてはゆるやかに傾斜するイメージです。

2年後に大島と本土を結ぶ架橋が完成すれば、浦の浜の港としての位置づけも変化することでしょう。一方、大島に流入する自動車の増加も予想されるわけですが、駐車場の整備計画が不十分との声も聞こえてきます。そうした様々な課題を抱えている大島ですが、美しい島の良さを生かしながら、市本土と橋で結ばれた新しい時代を迎えて欲しいと思っています。

2015年12月15日ブログ「浦の浜防潮堤合意」

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魚市場前の防潮堤

きょうから12月か。これから年末までが早いんだよね。

さて11月28日(月)、気仙沼魚市場前に計画されている防潮堤の説明会が開かれました。29日の河北新報でその概略は承知しておりましたが、月曜休刊の三陸新報も30日に報じましたので、その記事をご紹介します。

魚市場前防潮堤
三陸新報11月30日記事の一部イメージ

三陸新報記事の主要部分を以下に引用します。

「 防潮堤は、魚市場の北桟橋から現在建設中の南側施設付近までの延長1.3kmで、海抜5m(地上高3.2m)。魚市場隣接のトラックヤードと、その背後の臨港道路との間に計画されている。
 県は昨年6月の説明会で出された意見や、魚市場利用者らの考えを踏まえ、計画を一部修正。防潮堤を臨港道路側に寄せて、トラックヤードと場内道路の敷地を3m拡幅した。
 場内外を確認できるように防潮堤壁面に設けるアクリル窓も、約4m間隔で設置して数を増やすなど視認性を高めた。」(引用は以上)

河北新報の記事には、魚市場前の防潮堤の位置を示す地図も掲載されていました。参考までこれも引用。

河北地図
河北新報11月29日配信記事より

気になるのは関係者の合意についてです。三陸新報によれば、説明会には関係者ら約50人が出席し、いくつかの質問も出たとのことですが、県としては、一定程度の理解を得たとして着工に向けた事務手続きに入るそうです。また、29日付けの河北新報も、「県側の『魚市場の機能が損なわれない構造にする』との説明に出席者から目立った異論は出ず、県は建設計画を前進させることにした」としています。

しかし、28日のNHKのニュースはちょっと違うニュアンスを加えてつぎのように締めくくっています。「気仙沼漁業協同組合は『計画に合意したという認識はない』としていますが、県は来年4月以降に工事を始め平成30年度末の完成を目指すことにしています」

県は〈一定程度の理解を得た〉〈前に進めることにはOKをいただいた〉〈計画の基本的な部分には合意を頂けた〉と。そして漁協は〈計画に合意したという認識はない〉と。大丈夫なのかなあ。この会はあくまで〈説明会〉ですから、計画に対してどのような権限や影響力を持つのかわかりません。しかし、こうした曖昧な了解では問題が蒸し返されることもあるのではないか。私は〈関係者〉ではありませんが、とても気になりました。

それともうひとつ。魚市場と南町の中間にある港町地区の防潮堤計画はその後どのようになっているのでしょう。商港岸壁などがある朝日町の防潮堤はすでに建設が進み、魚市場前もこうした状況だと、県としては港町だけ低くするわけにはいかないといった話になってくるのでは。現地気仙沼ではどのような感じなのでしょう。東京からは以上です。

11月28日放送NHK宮城ローカルニュース(動画あり)
河北新報11月29日配信記事

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防潮堤と商業施設

11月11日(金)で震災から5年8カ月。同日の読売新聞朝刊では、〈震災5年 再生の歩み〉の11月記事として、気仙沼市の内湾地区を中心に、防潮堤建設においてどのような工夫がなされているかを特集していました。

内湾防潮堤読売
読売新聞11月11日朝刊記事の一部イメージ(クリックで拡大)

内湾地区の防潮堤計画については、このブログでもその経過を何度か紹介してきましたが、今回の読売新聞の記事は、要点がコンパクトにまとめられています。記事では気仙沼のほかに、宮古市田老、石巻市雄勝町、塩竃市、大船渡市、いわき市などの防潮堤での工夫なども紹介していますが、気仙沼関連の記事を以下に引用します。

〈 東日本大震災の復興事業の中でも、巨大な防潮堤に対する抵抗感はいまだに根強い。コンクリートむき出しの壁が、慣れ親しんだ海岸の風景を損ない、眺望を奪うからだ。そんな中、宮城県気仙沼市の住民たちは知恵を絞った。防潮堤を新しい街に溶け込ませられないか――。

 気仙沼市の内湾地区は、日本有数の漁港に近い街。飲食店や商店が立ち並ぶ「気仙沼の顔」だったが、津波で大半が流失した。県は、ほかの津波被災地と同様、巨大な防潮堤の整備を計画した。最上部の高さは海抜5メートル超。住民たちは「海が見えなくなる」「無機質な景色になる」と反発した。震災前、一帯には防潮堤がなかったのだ。

 ただ、反対ばかりではなかった。有志で街づくりの会を発足させ、防潮堤のことを学んだ。県や市とも話し合いを重ねた。防潮堤の厚みは50cm。視界を遮るこのコンクリートの壁面を、商業施設やテラスで覆い、街並みと海岸線に溶け込ませるというアイデアは、そうして結実した。

 内湾地区に建設される防潮堤583メートルのうち、中心部の203mを事業対象とすることが決まった。核は、飲食店や観光案内所などが入居する「ウォーターフロント施設」。一部3階建て、延べ床面積1500平方メートルの建物を防潮堤の内陸側に建てる。施設と防潮堤の間に生まれる幅約4メートルの空間は、木材を使った通路「デッキテラス」に。海に親しめるよう、芝の広場などを整備する。

 施設と通路の建設費は総額約5億円を見込む。半分強は国や県の補助金でまかなえそうだが、残りは借入金。返済にはテナント料収入を充てる予定だ。採算が取れず、テナントが撤収すれば、事業は暗礁に乗り上げる恐れもあるが、住民たちは前を向いた。9月末時点の地区人口は約650人。震災で4割も減った。

 「観光客に訪れてもらい、地域経済が潤わないと、住民も街に戻ってこない」。街の復興に向けて、気仙沼商工会議所会頭の菅原昭彦さん(54)の危機感は強い。菅原さんは、地元企業と市が出資する街づくり会社「気仙沼地域開発」の社長も兼務。同社は今回の事業主体になる。着工は来春。2018年4月の完成を目指す。



 防潮堤を整備しても、津波による浸水が想定される場合には、災害危険区域を指定し、居住を制限する自治体は多い。沿岸部は誰も住まない地域になり、職と住は分離する。せっかくウォーターフロント施設を作っても住民が利用しづらい場所になってしまう。

 その点、気仙沼市の街づくりは「職住一体」が基本だ。海に近い場所で街の再建を目指し、地盤を約3 mかさ上げし、災害公営住宅(復興住宅)も建てる。市条例で「市長が支障がないと認める場合」には、災害危険区域でも居住できるようにした。「海の恩恵を受けてきた歴史を途絶えさせたくない」という住民の訴えに応えた。住宅ができれば、防潮堤の新施設は住民の来店も見込めるわけだ。

 復興住宅の住居部分は2階以上に限定し、1階部分は商用スペースにする。市は、東日本大震災級の津波が起きても、防潮堤とかさ上げで、浸水は1メートル程度と試算、安全面はクリアしたと判断した。商用スペースには、来春に撤去される市中心部の仮設商店街の店舗も入居する予定だ。

 気仙沼市は、震災前より1割以上も人口が減り、約6万6000人になったが、震災前も年間約1000人のペースで減り続けていた地方都市でもある。震災をきっかけに誕生する新しいスペースをどういかすか。沿岸部での取り組みは、人口減と向き合う被災地の先進例にもなる。〉(引用は以上)

建設費総額は約5億円で、半分強は国や県の補助金でまかなえそうとのこと。残り半分の借入金返済にはテナント料収入を充てますが、テナントが撤収すれば、事業は暗礁に乗り上げる恐れもあると記事で述べられています。それが一番の心配。関係者の不安もそこにあるでしょう。はたしてお客様が戻ってきてくれるのかと。

9月2日のブログで書きましたが、その時点でのテナント募集31区画のうち、まだ19区画の見通しがたっていませんでした。その後どうなったかと心配しているところです。いろいろ大変かと思いますが、海と生きる町 気仙沼の顔として、なんとかよい施設なるようにと心から願っております。

9月2日ブログ「スロー村途中経過」

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商港岸壁工事の今

10月9日(日)の三陸新報のシリーズ記事〈今を見る「途上の街」〉に、気仙沼市の朝日町にある商港岸壁の復旧状況が紹介されていました。平均1.5m地盤沈下した岸壁や荷さばき場のかさ上げ、舗装はすでに完了し、2015年12月から供用を開始しているとのこと。

10月9日商港岸壁
三陸新報10月9日記事の一部イメージ(クリックで拡大)

防潮堤について、記事はつぎのように記しています。

〈防潮堤(海抜7.2m)の一部が姿を現しており、今年中にはコンクリート壁が完成する予定。今月6日現在の工事の進捗率は73%で、陸甲(横開きのゲート)3基と周辺道路の舗装工事は17年度に発注・着工する。同年度内には商港岸壁の復旧工事が完了する予定だ。〉(引用は以上)

上の少し小さな写真が2014年7月の撮影、下の写真が現在10月時点ということでしょう。上から下を見下ろす角度の写真なので、壁の高さや大きさはあまり実感できません。

ネットなどで、この防潮堤の威圧感については多くの人が写真とともに紹介しており、かなりの長さができあがっているように想像していたのですが、写真を見るかぎりまだ中途という感じですね。今年中にはコンクリート壁が完成するというのですが。

朝日町に建設される防潮堤は、この商港岸壁だけではありません。大川河口付近など、全体を4つの区間に分けて工事が進められていますから、朝日町一帯の岸壁が高いコンクリートの壁で囲まれる形となります。1カ月ほど前に、大島方面から内湾に入港する船から撮影した映像を見ましたが、進行方向左側に、あたかも要塞のように続くコンクリ壁には正直驚かされました。

商港岸壁の防潮堤については、昨年の10月にこのブログでも紹介しました。お手すきのときにでもご覧ください。

2015年10月28日ブログ「商港岸壁の防潮堤」

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大谷防潮堤の続報

きのう8月2日の三陸新報が、大谷(おおや)海岸の防潮堤計画の見直しについてトップ記事で報じていました。

三陸 大谷海岸
三陸新報8月2日の記事の一部

内容は8月1日のブログでお伝えした河北新報7月30日付けの記事と同様ですが、よくわからなかった住民説明会での意見や反応についての記述がありました。その部分を以下に引用します。

住民ら約60人が出席した説明会では「一日も早く計画を進めてほしい」などの意見が出され、大筋で合意。2020年度の完成に向けて、調査や設計に入ることを了承した。
市への要望活動などを行ってきた大谷地区振興会連絡協議会の鈴木治雄会長は「これで砂浜が守られる。ここからは前に進むしかないので、一日も早く海水浴場を再開させてほしい」と話した。(引用は以上)

この大谷海岸の防潮堤は国の予算を受けて宮城県が計画しているものです。これとは別に気仙沼市が計画している防潮堤でも動きがあります。本吉町の蔵内漁港です。7月19日の三陸新報につぎの記事が掲載されました。

7,19防潮堤

三陸新報7月19日の記事の一部

これは、南三陸町歌津との境にある本吉町蔵内漁港草木沢地区の防潮堤計画です。12億8700万円の事業費で既に設計作業が進められているのですが、漁港の背後地にはもともと民家がなく、震災前は水田があったものの、現在は利用されていません。またJR気仙沼線のBRT専用道路は、計画堤防高よりも高い位置にあります。

しかし、市は「L1津波が発生した場合に公共交通機関の運行に影響を与える」として建設を決定しました。市は、公共交通機関も防潮堤によって「守るべきもの」としてきましたが、ここにきて、JR幹部から「BRTであれば避難が可能。守らなくてもいい」との発言があったそうです。この問題は6月の市議会でもとりあげられ、市長はJRの最終的な回答次第では計画の見直しも検討する方針を示したとのこと。

この計画の行方はまだわかりませんが、県による大谷海岸防潮堤と同じく、市の防潮堤計画でも動きがあるということで、お伝えしました。

追記:大谷海岸防潮堤の計画見直しについては、気仙沼市議会議員の今川悟さんの8月2日付けブログ記事に詳しい内容が記されています。是非ご覧ください。

今川悟市議ブログ8月2日記事

今川さんが、今回の計画見直しの8つのポイントのひとつとして「気仙沼市が住民の要望を積極的に支持。リーダーシップをとって国と県を動かした」ことをあげているのが印象に残りました。また、同じ大谷海岸でも、はまなす海洋館前はまだ計画が固まっていないとのことです。

8月1日ブログ「大谷防潮堤見直し」

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大谷防潮堤見直し

東京都知事選も終わり、きょうから8月です。

朝日新聞が7月29日(金)に配信した気仙沼・大谷海岸 防潮堤計画、大幅に見直し〉とのニュースには驚きました。前日28日の三陸新報〈大谷海岸周辺整備 前進へ〉という論説記事で、大きな進展があることは知っていたのですが、朝日新聞の記事はより具体的な内容を伝えていました。

そして7月30日には住民説明会が開催され、見直し案が示されました。それを受けて翌31日の河北新報がこれを報じています。


kahoku

河北新報7月31日配信ニュースより(クリックで記事にジャンプ)


◎〈防潮堤〉住民意向受け国道「兼用堤」に

 東日本大震災で被災した気仙沼市本吉町の大谷海岸に海抜9.8mの防潮堤を建設する計画で、県と気仙沼市は30日、防潮堤の建設位置を計画より内陸に移し、国道45号を防潮堤も兼ねた「兼用堤」にする見直し案を明らかにした。「県内随一の海水浴客を誇った海岸の砂浜を復活させてほしい」という地元の意向を踏まえた内容で、同海岸の再建は大きく前進する。
 大谷小で開いた住民説明会で示した。県の当初計画では海岸沿いを走る国道の海側に防潮堤を造るとしていたのに対し、国道の約850m区間を9.8mまでかさ上げして防潮堤の役目を持たせ、震災前の規模の砂浜2.8ヘクタール確保する。
 国道の兼用堤化については国が難色を示していたが、市は「おおむね調整がついた」と説明した。
 このほか、市が兼用堤の後背地3.9ヘクタールを堤防高と同じ高さでかさ上げし、道の駅「大谷海岸」や駐車場を整備する。2020年度の完成を目指す。
 同海岸の大谷海水浴場は環境省の「快水浴場百選」に選ばれ、震災前の10年は県内トップの約6万5000人が訪れたが、震災による地盤沈下で砂浜が減少。防潮堤建設によって砂浜の奥行きがさらに失われ、にぎわいを取り戻せるか心配する声が上がっていた。
 大谷地区振興会連絡協議会と大谷里海(まち)づくり検討会は15年8月、国道を兼用堤にして砂浜をできる限り確保するよう求める要望書を市に提出していた。協議会の鈴木治雄会長は見直し案について「海水浴場が守られる内容だ。計画を前に進めて早く再開につなげてほしい」と述べた。(引用は以上)

三陸新報は、31日にはこの件についてなにも記事にしていません。本日は月曜で休刊。明日にでも詳しい記事が掲載されることでしょう。地域住民らのねばり強い活動、交渉が県などの行政を動かしたのでしょう。私も海水浴に何度も訪れた大谷海岸。朗報だと思っています。

なお、NHK(仙台放送局)も30日にローカルニュースでこの大谷防潮堤のことを報じ、ニュース映像を含めて配信しています。こちらもどうぞご覧ください。

NHK7月30日配信ニュース内容

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沖ノ下の河川堤防

きのう6月16日のブログ「謙さんの見た堤防」で気仙沼の本吉地区にある沖ノ下川に建設されている堤防について書きました。私自身がよく知らぬ話でしたので、本日は少し調べてみた内容を記します。

まずは、4年前2012年6月26日に地元住民・地権者に対して行われた事業説明会概要書に掲載されている内容を紹介します。宮城県気仙沼土木事務所が作成したもの。

事業説明会概要書(PDFファイル)

まず沖ノ下川の位置ですが、下の地図の赤い四角で囲まれた部分です。大谷海岸の北東の海岸で、地図を見ると西(左)から東(右)野々下、沖ノ田、杉ノ下と地区名が変わります。私たちには懐かしいお伊勢浜海水浴場は杉ノ下海岸になるようです。

地図

つぎに上の四角の部分、沖ノ田川の河川堤防計画概要を示しましょう。

概要図

あくまで2012年時点で、その後の変更もあるかもしれませんが、全体の長さは800m。高さは、河口から313m(A区間)が高さ海抜9.8m、その上流部487m(B区間)が海抜9.3mです。

つぎは空撮動画です。「Shiro Neko」さんがYouTubeで公開しているものですが、12日のNHK番組で使われた動画はこの一部だと思います。(1分31秒)



いやはやものすごい。地権者の賛同が早期に得られて工事が進んだようです。そして今回いろいろと調べてみてわかったのですが、以前このブログでも紹介した野々下海岸の9.8mの防潮堤というのは、沖ノ田海岸の防潮堤に連続するものだったのですね。これらの防潮堤についても、「Shiro Neko」さんが先日6月12日に投稿した映像がありました。(29秒)


映像説明を引用します。「海側から内陸を見て、正面左側は宮城県土木部が管理する防潮堤(沖の田地区海岸)。中心付近から右側(海を背に見て)は林野庁宮城県北部森林管理署が管理する防潮堤(野々下海岸)。林野庁と宮城県、隣り合った防潮堤を建設したが、形状の異なる防潮堤を建設したため防潮堤の接地面が合わず、約8,000万円の追加予算(国費。林野庁負担)を浪費した。」

地図でみた地区名でいうと、左が沖ノ田で右が野々下かと思っていたのですが、海岸名の順序は違うようです。こうしたことは土地勘がないとなかなか難しい。それと、海岸防潮堤と河川堤防の違いとか所管する役所の違いとか、かなり面倒な話です。

また長くなってしまいましたが、土日を控えた金曜日ということでお許しを。あれやこれやいろいろありますが、どうぞ良い週末をお過ごしください。

2014年2月10日ブログ「大谷防潮堤の現在」

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謙さんの見た堤防

6月12日(日)のNHK総合テレビ「明日へ」の「渡辺謙 僕に、できること 第4回 再会」はご覧いただけましたでしょうか。約50分の放送のうち冒頭15分が気仙沼関連の映像でした。見逃した方は、今週金曜日の再放送を是非に。記事の末尾にその放送予定を示しておきます。

気仙沼関連部分の後半、防潮堤に関しての内容を以下に紹介します。

渡辺謙さんは、気仙沼魚市場や阿部長商店の新しい加工場をたずねたあと、入沢にある「男山」の酒蔵をたずねます。そしてその後は、水産加工などの新しい事業所が建っているのを見ながら、朝日町地区の防潮堤建設現場に向かいます。案内するのは、(株)男山本店の社長で気仙沼商工会議所会頭でもある菅原昭彦さんです。

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ここからは、謙さんと菅原さんの言葉を文字に起こしてみました。(NA)は渡辺謙さんによるナレーションです。

(NA)震災から6年目。復興への確かな足音を感じられるようになった気仙沼。しかし、市民の間でともどいが広がっていることがありました。

(渡辺)ああ〜、こうなってるんだ

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朝日町地区防潮堤建設現場

(NA)住民と行政との間で議論となっていた防潮堤の建設。懸案だった高さは、5mから、高いところで15mと決まり、工事が始まっていました。しかし、住民の多くが求めてきたのは、海との共生。にもかかわらず、行政の姿勢は一貫して防潮堤ありきだった、と菅原さんは語ります。

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朝日町地区防潮堤をながめる2人

(菅原)僕らがやっぱり学んだことというのは、自然の力には誰も勝てないということ。それをなんとかしようという、そもそもの考えがおかしいと思うんですよ。こうやってできていって、確かにこっちには産業エリアが広がるんで、これはこれでいいとしても、実際に暮らしや生活の場と近いところは、できるだけ圧迫感をなくして欲しいとか、そういう調整をいろいろやってもらっているところですね。

(NA)さらにもうひとつ案内された場所がありました。全長およそ5kmの沖ノ田川につくられた堤防です。

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沖ノ田川 河川堤防1

(渡辺)これはいったい、どこまでこれを続けるつもりなんですか。
(菅原)ずっとこう、川沿いに上のほうまで、上流のほうまで続けるんでしょうね。

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沖ノ田川 河川堤防2

(NA)震災のときは、高さ10mをこえる津波が川をさかのぼった場所でした。そのことは、菅原さんも十分に理解をしているのですが……。

(菅原)我々から見れば、すごいバカですよね。ほかのやり方がなかったのかというような。

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沖ノ田川 河川堤防3

(NA)再び起きるかもしれない災害への備えと、日々の暮らしを豊かにしたいという願いがせめぎあう。それが、目に見える形になってきたのも、6年目の現実でした。(放送内容紹介は以上)

沖ノ田川は、大谷海岸の北東側にある沖ノ田海岸に向けて流れる河川です。この川の名は初めて知りました。それにしても、わずかな川幅の両側に大きなコンクリートの堤防が続く光景には驚かされました。

番組で紹介された渡辺謙さんの言葉は抑制されてはいるものの、その胸にあるのは巨大防潮堤に対する大きな疑問でしょう。ドローンでの撮影と思われる河川堤防の映像を見た多くの視聴者も、同じような気持ちをいだいたのではないでしょうか。

この沖ノ田川の堤防についてはまたあらためて。本日は番組内容の紹介にとどめます。

◎再放送情報
・明日へ/渡辺謙 僕に、できること 第4回 再会
・6月17日(金)午後2時05分~2時53分
・NHK総合テレビ

2012年4月16日ブログ「安藤さんの言葉」

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防潮堤高見直しへ

5月27日(金)の河北新報が、防潮堤に関する記事を2件配信していました。震災被災地で計画されている防潮堤の高さについて、国が、震災に伴う地盤の隆起分を差し引いて建設するよう沿岸自治体に求めることになったというのです。ちょっと長いのですが、資料ということで2件の記事の主要部分を引用します。(見出しクリックで引用元にジャンプします)

防潮堤:高さ一斉見直し 隆起分差し引き

地盤変動幅
河北新報5月27日配信記事より

 東日本大震災の沿岸被災地で計画されている防潮堤の高さについて、国が近く、震災に伴う地盤の隆起分を差し引いて建設するよう沿岸自治体に求めることが26日分かった。国土地理院が7月にも沿岸部の再測量に着手。結果を踏まえ、各自治体は防潮堤の高さを一斉に見直すとみられる。内陸側から見える堤高は、現在の計画より数十センチ低くなる可能性がある。
(中略)
 国土交通省や農林水産省は、防潮堤を建設する各県や市町村に対し、新しい水準点に基づき防潮堤の高さを見直すよう求める方針。隆起分を反映させた形で計画高の修正を図り、コスト削減や、陸地側からの景観に対する配慮を促す。
 着工済みの防潮堤に関しては、工期変更に伴う費用の増減、周辺の復興関連事業への影響などを踏まえ、見直しの可否判断を求める見通しだ。
 震災後、建設が計画されている防潮堤の建設距離は岩手69.4km、宮城243.9km、福島67.3km。完成したのは岩手25.2km(完成率36%、3月末現在)、宮城50.0km(21%、2月末)、福島6.2km(9%、1月末)。

[防潮堤の高さ]東日本大震災の被災地で、数十年~百数十年に1度発生が予想される高さ(L1)の津波を防御するため、2011年に設定された。地形や過去の津波を踏まえた計画高は海抜2.6~15.5m。数百年に1度の震災級津波は防御できない。

防潮堤:高すぎるの声 新基準どこまで反映

 東日本大震災の津波被災地で、防潮堤の計画高から地盤の隆起分を差し引くよう建設自治体に求める国の方針について、沿岸の首長らからは26日、歓迎の声が上がった。巨大防潮堤を巡っては「高すぎる」という批判が根強い。新たな高さの基準が、防潮堤計画にどこまで反映されるかが今後の焦点となる。
 「震災直後に定められた水準点が見直されることは聞いている。これで隆起分を低くして工事できる」。気仙沼市の菅原茂市長は国の動きを評価した。
 同市は衛星利用測位システム(GPS)による観測で震災後に地盤が65cm沈下したが、今春までに25cm隆起した。市は防潮堤が余分に高くなるのを防ぐため、38カ所のうち10カ所で隆起分を差し引いた建設を検討してきた。
 各県が建設する防潮堤高見直しへの期待も膨らむ。
(中略)
 ただ、沿岸市町村が建設する防潮堤工事は今後本格化する所が多いのに対し、宮城県は全体の約7割で工事に着手している。設計や工事が進んだ段階で計画を変更すれば費用が増える可能性もある。国との調整も必要となり、「県がどれほど高さを変更するかは不透明」(沿岸自治体の担当者)という声もある。
 県が5.1mの防潮堤建設を始めた気仙沼市内湾地区の菅原昭彦復興まちづくり協議会長は「防潮堤高を10cmでも20cmでも下げたいというのが現地の思い。県は来年2月の水準点改定を見越してすぐに高さを見直してほしい」と訴える。

引用は以上です。

河北新報の記事で菅原市長のコメントにもありましたが、県ではなく気仙沼市が整備する10漁港の防潮堤について、隆起分を低くしたいという市の考えは4月14日の三陸新報も伝えていました。

国の方針を受けて県が整備した防潮堤が高すぎて、漁業関係者が困っているという話は以前からあがっていました。昨年だったでしょうか、気仙沼市議会でも熊谷雅裕議員が質問していたように記憶しています。しかしそれも、県がやることに市側からの声は反映されにくいといった行政の壁があるようでした。

27日の記事は、あくまで地盤沈下や隆起ということによる防潮堤高の見直しです。菅原昭彦さんが語る「防潮堤高を10cmでも20cmでも下げたい」という現地の思いを反映した見直しではないでしょう。

以上、長くなりましたが、防潮堤関係の資料ということでご覧いただければと。

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港町の防潮堤計画

林小春さんの受賞に関する記事が掲載された三陸新報5月14日(土)の一面トップは、気仙沼市港町地区の防潮堤に関する記事でした。

 5月14日港町防潮堤
三陸新報5月14日記事の一部イメージ

リードの部分を引用します。

〈宮城県が気仙沼氏の港町に計画している防潮堤建設を巡り、市との協議が平行線をたどっている。「船が見えなくなる」と地元住民が強く要望する景観対策として、県はアクリル窓の設置を提案しているのに対し、市は起立式(フラップ)ゲートの採用を求めているためだ。昨年3月の住民説明会以降、具体的な進展がなく、解決の糸口が見つかっていない。〉(引用は以上)

防潮堤が計画されているのは、魚市場北桟橋〜お魚市場付近までの臨港道路沿い(延長約500m)。いわゆる〈出港岸壁〉です。防潮堤の高さは海抜5mで、道路かさあげによって見た目は3.2〜3.6mになるそうです。お魚市場から魚市場までの道路からは海が見えなくなるわけで、異論や反論が続出するのも当然でしょう。

宮城県側は、防潮堤にアクリル窓をたくさん設ける対応案を提示していますが、窓をのぞいて海をながめてどうするよ。菅原市長も〈「県が提案する窓は、議論のテーブルにも乗らない」と一蹴。16日から自ら県庁を訪れ、フラップゲートの採用をあらためて要望する〉とのこと。

私からすれば、フラップゲートもなしにして高さを低くして欲しいのですが。県としては、一部でそんなことをすれば、県内各地区で進む防潮堤の高さの根拠が失われるのでそれはできないということでしょうが。

震災から5年たって、国の防潮堤の高さに関する考えはさほど強制力のあるものではなかったとの報道も目にします。一度決めた国や県の方針であっても、見直すべきことは見直すという姿勢であって欲しい。三陸新報の見出しにある〈直談判〉という言葉はあまり好きになれませんが、菅原市長には、ねばり強い交渉をぜひお願いしたいと思っております。

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守るもの失うもの

きのう1月20日の三陸新報の一面記事。気仙沼市唐桑町での〈荒谷前防潮堤が完成〉を伝えていました。

荒谷前防潮堤
三陸新報1月20日記事(クリックで拡大)

唐桑の大沢地区荒谷前というのは、地図でみると岩手県境に近い地域のようです。記事を一部引用します。

(宮城)県が、気仙沼市唐桑町大沢地区の荒谷前で進めていた防潮堤整備工事が完了した。(中略)防潮堤は、荒谷前地区海岸災害復旧工事として整備。高さ海抜11.3m、幅217mの傾斜護岸を建設した。工事は、市内の小野良組が請け負い、平成25年10月に着手し、今月6日に完了した。主に港地区の家屋を津波被害から守るのが目的。海岸環境の破壊を懸念する声もあったが、比較的早い段階で住民側が合意した。(引用は以上)

私がおどろいたのは、防潮堤の写真です。はじめは出来の悪い完成予想図かと思いました。広角レンズで遠近感やボリューム感が強調されているかもしれませんが、圧倒的な大きさ。単なる高さだけでなく、その底面や深さを考えると工事に2年2カ月を要したのもうなずけます。ナンボかかったのか。記事には費用が書かれていませんでした。

この防潮堤は県が行ったもの。国の予算を受けてのもので、市の費用支出は基本としてはないはずです。しかしなあ、この防潮堤の目的が、主に港地区の家屋を津波被害から守るためというのを聞くと、その家屋がどれだけあるのかと問いたくなるのです。大きな費用をかけるのであれば、なにか別の方法もあるだろうにと。

記事には、本日21日の竣工式には、宮城県気仙沼土木事務所の所長や唐桑地域自治区の区長、小野良組の社長ら約20人が出席して神事を行うとありました。竣工を祝う人が約20人か。

〈守るもの〉の片方で〈失うもの〉。なにかを得ようとすれば、なにかを捨てなければならない。そのバランスが適正なのかどうか。この記事の写真を見て、そんなことを考えさせられました。

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浦の浜防潮堤合意

11月10日のブログでもお伝えした気仙沼の大島・浦の浜の防潮堤をめぐる行政と住民の協議が大筋で合意に達したとのことです。ちょっと前、12月8日の三陸新報が伝えています。

12月8日大島
三陸新報12月8日記事の一部イメージ

記事によれば、12月5日に開かれた気仙沼大島〈浦の浜・磯草地区復興懇談会〉で、宮城県が計画している防潮堤の高さを、前々回に示された海抜7.5mはそのままにしつつも、2段階で傾斜をつけて景観に配慮した案に住民側が大筋で合意したとのこと。

新たな案では、これまで6mだった1段目の頂点部分の幅を一部で20mに広げ、イベントなどにも活用できるスペースを確保します。背後に気仙沼市が計画するウエルカムターミナルとも一体的な整備を目指し、緑化や植栽を多く取り入れた案になっているとのことです。

三陸新報の記事によれば、この防潮堤に関する議論は約半年にわたり、今回が5回目。県と住民の間を市が調整する形で大筋合意に達することができたようです。それぞれの立場での意見の違いがあったでしょうが、一応の合意に達したのはなによりのことです。

ウエルカムターミナルの整備など、大島の観光資源を活かす施設も含めて浦の浜の再開発が計画されているようですので、これを好機に気仙沼大島の復興が前進することを願っております。

なお、この浦の浜の防潮堤計画の合意については、気仙沼市議会議員 今川悟さんが12月7日付けのブログで詳しく解説しています。計画内容が詳しく紹介されていますので、是非ご覧ください。

今川悟市議12月7日ブログ
11月10日ブログ「大島防潮堤懇談会」

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震災復興会議とは

12月1日の三陸新報にちょっと気になる記事が掲載されていました。11月29日に開催された「気仙沼市震災復興会議」で、防潮堤に関する意見が相次いだというのです。

復興会議

三陸新報12月1日記事のイメージ

記事の後半を引用します。

今回が10回目の開催。委員9人と菅原市長らが出席し、市当局が復旧・復興事業の進捗状況や地方版総合戦略の内容などを説明した後、意見交換した。
委員からは防潮堤に関する意見が相次いだ。復興計画のキャッチフレーズ「海と生きる」や、総合戦略で目指すべき姿として掲げた「地方にある世界の港町」について「防潮堤に囲まれたまちとは相反する」などの声があった。「(防潮堤整備に)第三者の意見を入れたほうがいいのでは」などの意見もあった。(引用は以上)

気仙沼市震災復興会議は、「気仙沼市震災復興計画」策定のために、学識経験者7名や市総合計画審議会委員6名で構成され、2011年6月に第1回目の会議がもたれました。6回の会議の後、同年10月に復興計画が定まったあとは、その役割を〈震災復興計画の変更に関し、変更案のとりまとめ、震災復興事業進捗への意見提言〉へと変更し、一昨年は2回、昨年は1回開催されてきました。

震災復興会議メンバーの学識経験者7名は、そうそうたるメンバーといってよいでしょう。今回の出席の有無はわかりませんが、日本学術会議の会長をつとめている大西隆さんもそのお一人です。下にメンバーについての市の資料を紹介しておきます。所属等の変更はあるかと思いますが、市の資料のなかにメンバー変更の情報はありませんでした。

メンバー
気仙沼市HP「気仙沼市震災復興会議」サイトよりクリックで拡大)

先日の復興会議に出席した学識経験者は何名だったのだろうか。そして、防潮堤に関する意見が相次いだというけれど、その詳細が知りたい。それに対して市長らはなんと答えたのか。

三陸新報の小さな記事では詳細がわかりませんが、震災復興に関する専門的な知見をお持ちのメンバーの方々の発言は重く、価値のあるものだと思います。

〈本日は大変貴重なご意見ありがとうございました。今後の気仙沼市復興の参考にさせていただきます〉みたいな話で終わったんじゃなかろうかと勝手な想像をして、ちょっと心配しているところです。考え過ぎか(笑)。

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大島防潮堤懇談会

11月3日に、気仙沼大島の防潮堤計画などについての〈浦の浜・磯草地区復興懇談会〉が大島公民館で開かれました。11月5日付けの三陸新報によれば、前回の懇談会で当初の7.8mの防潮堤高を7.5mにする案が示されていましたが、今回もこの7.5mが宮城県の正式な見解となったようです。

大島防潮堤

三陸新報11月5日記事の一部イメージ

以上は県の話ですが、気仙沼市は背後に計画するウエルカムターミナルの整備計画案を提示しました。約4600平方米の敷地に駐車場や観光案内所、民間商業施設を配置するもので、たたき台としての案とのこと。そして問題はここからです。菅沼副市長の懇談会の締めのあいさつ。河北新報はつぎのように伝えています。

〈 約20人が、県と市から示された防潮堤や観光拠点ウエルカムターミナルの新たな計画案に関して意見交換。住民から「手直しが必要」と指摘が相次いだが、2時間が経過したところで菅沼副市長が「おおむね理解を頂いたので、次のステップに移るため懇談会を打ち切りたい」と宣言した。
 県気仙沼地方振興事務所の幹部も「今後は個別事業ごとに協議したい」と打ち切りを迫ったが、住民は「納得するまで何回でも議論すべきだ」と声を荒らげ、反対した。最終的に市側は打ち切りを撤回。菅沼副市長は「一定の方向性を出したいと思っていた。住民の理解が深まっていないと分かった」と釈明した。
 懇談会は、住民側が「複数の復興事業が重なる地域なので同じテーブルで協議したい」と県や市に要請し、6月に設置された。唐突に打ち切りを突き付ける行政の姿勢に、住民の一人は「納得いく事業にしてもらえるのか」と今後の議論に不安を感じていた。〉(引用は以上)

副市長も県の幹部も、今回で懇談会としての住民とのやりとりにはケリをつけ、なんとか事業を前に進めたかったのでしょうね。行政の立場としてはそうなのでしょうが、その気持ちが強く出過ぎて、結局は関係を悪化させたようです。今回の「打ち切り宣言」に、三陸新報は〈違和感を抱いた〉と書いています。〈住民の目には、県や市が「一方的」と映ったからである〉と。

どちらもけんか腰で向かい合っているわけでは決してないと思います。なんとか、より良い形で折り合って結論を得たいと思っている。なにかうまい議論や合意形成の方法がないものかと思います。しかし、〈そんなうまい方法があったら、もうとっくにやってんでないの。それぐらいわがんないのすか、オダ君〉という声がどこからか聞こえてきます。

河北新報11月5日配信記事

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商港岸壁の防潮堤

きのうのブログで、気仙沼の商港岸壁に入港したソ連貨物船の写真を紹介しました。岸壁がある朝日町地区ではいま、防潮堤建設が進められています。私は一年前ごろ、基礎杭となる太さ80cmの鋼管が列をなしている写真を見て驚きました。内湾の防潮堤計画についての議論はいろいろあったものの、この朝日町の計画についてはあまり情報がなく、工事がいつのまにか始まっていたという印象を受けたのです。

気仙沼市議会の今川悟議員のホームページに掲載された写真から工事の進捗をみてみましょう。

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2014年10月31日記事より

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2015年2月4日記事より

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2015年6月2日記事より(撮影も同日)

海抜7.2mの直壁タイプの防潮堤は、写真でみてもその高さに圧倒されます。周辺地区はかさ上げされるので見た目は5mほどになるそうです。壁に小さな小窓みたいなものが見えますが、ここにはアクリル窓で外側の海をみることができるのだそうです。このほか壁面の緑化など、圧迫感を軽減するための処置が行われるそうです。この工事は宮城県気仙沼土木事務所が港湾海岸工事として進めています。これに対し、魚町・南町(内湾)や魚市場前・港町(気仙沼漁港)は、宮城県気仙沼地方振興事務所水産漁港部の管轄。管理者がいろいろなんですよね。

内湾の計画は行政と住民間で合意に達しましたが、魚市場前の防潮堤計画(5m)には水産関係者から異論が出て未合意のままとなっています。魚市場近くに姿をあらわした防潮堤の高さを実感すれば、〈ちょっと待った〉といいたくなる気持ちもわかります。

朝日町の防潮堤計画については大きな反対の声がなかったようです。背後地は水産加工の事業所や造船等の工場地区として整備されることもあるのでしょう。今川さんのHP記事によれば「もっと頑丈な防潮堤にしてほしい」という声もあったとのこと。なお、この商港岸壁の防潮堤工事費用は約20億円。いまになって疑問の声をあげても時すでにおそし。完成予定は、来年3月末となっています。

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大谷の兼用堤要望

気仙沼市本吉町の大谷(おおや)地区防潮堤計画について、国道45号と防潮堤を兼ねる「兼用堤」とする地区住民の要望書が8月31日に気仙沼市長に提出されました。9月1日の河北新報が記事を配信しています。

要望したのは、大谷地区振興会連絡協議会と大谷里海(まち)づくり検討委員会。記事によれば、防潮堤を内陸側に移してできる限り砂浜を確保することが目的。要望書には、つぎのようなイラストが添付されています。

大谷防潮堤
河北新報9月1日配信記事より(画像クリックで記事にジャンプ)

配信記事から一部を引用します。
「図面も添えた要望書では、国や宮城県が大谷海岸に計画する海抜9.8mの防潮堤を当初計画より内陸に移し、海岸線から数十メートルにある国道45号をかさ上げし、兼用堤にするよう求めた。後背地もかさ上げし、海側にある道の駅「大谷海岸」を移転させるなど要望は全8項目からなる。
 大谷海岸は環境省の「快水浴場百選」にも選ばれたが、東日本大震災の地盤沈下で砂浜が減少。海岸近くをJR気仙沼線と国道45号が並行して走り、防潮堤の建設で砂浜の奥行きを確保しにくくなることから、海岸が再生し、にぎわいを取り戻せるかどうか心配する声が上がっている。
 菅原市長は「国道45号の兼用堤化は国が難色を示すが、県と一緒に要望して実現させたい」と住民側の要請に賛同した。」引用は以上。

なお、同日付の三陸新報記事では、〈原形復旧とした、はまなす海洋館下の防潮堤については、国、県に認められないとして別の方策が必要との認識を示した〉という記述もありました。上のイラストでは左下のところですね。

大谷海岸は、高校の夏休みに、中井茶補の殖(しげる)君(3年8組)が運転する軽四輪に乗せてもらってよく行きました。特に泳ぐわけでもなく、コンクリの堤防に座って〈なんだりかんだり〉しゃべるだけなんだけどね。お伊勢浜より大谷のほうが好きでした。

新聞報道をみるかぎりでは、市長も要望案実現に前向きのようです。本吉町ではすでに大規模な防潮堤工事が始まっているところがありますが、この大谷地区においては、なんとか住民の要望をとりいれた計画となることを願っております。

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鮪立防潮堤の詳細

8月13日のブログで、気仙沼市唐桑の鮪立(しびたち)漁港の防潮堤整備について、行政と地元住民側が合意したとの新聞記事を紹介しました。このことについて、気仙沼市議会議員の今川悟さんがご自身のブログで詳しく報告していますので承諾を受けて紹介します。

今川悟議員のブログ記事

まずは前回のブログでは白黒だった完成イメージと、計画平面図から。
(いずれもクリックで拡大)

カラーイメージ

計画図

今川さんの文章を一部引用します。
「 防潮堤問題に正面から向き合ってきた鮪立地区。当初は海抜9.9mの防潮堤を海岸線に張り巡らす計画でしたが、セットバックし、市道との兼用堤とした上に、高さも8.1mまで引き下げるまで県の妥協案を引き出していました。地権者らの意向で最後に浮上した一部無堤化案については、地域で賛否が割れていましたが、復興を進めるために歩み寄ることになったのです。(中略)

説明会で質疑した住民は計8人。避難道などについて意見が出ましたが、県の見直し案を支持する意見もあり、最終的には拍手によって承認されました。拍手による承認はいろいろ問題もありましたが、今回は大多数の人が賛同したことを見届けました。

24年夏の説明会から丸3年。鮪立地区は住民アンケートをしたり、代替案を模索したり、市に協力を呼び掛けたりといろいろな角度から防潮堤問題に向き合いました。最後の方は地域内で意見が分かれる場面もありましたが、いずれも地域を思ってのことだったので、ちゃんと納得のいく着地点を見つけられたのだと感じました。行政側も、それぞれの思いをくみ取った案をまとめたと受け止めています。」(引用は以上)

防潮堤計画の説明会のあり方について問題意識をもっていた今川さんが、説明会に参加した住民の大多数の賛同を見届けたということですので、まずはホッとしました。

私自身は、これでもまだ大きすぎるのではないかと感じていますが、それはあくまで外野の意見。地元住民の意見を分断させることなく〈着地点〉を見出した関係者の皆様の努力に敬意を表します。

8月13日ブログ「鮪立防潮堤は合意」

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鮪立防潮堤は合意

今週は、ツリーハウスや〈大人の休日倶楽部〉のことなど、気仙沼市唐桑の鮪立(しびたち)地区の話が続きましたが、本日も。

鮪立の防潮堤整備について、8月8日に県の説明会が開かれ、住民側が最終的なゴーサインを出したということです。11日の三陸新報が〈住民合意し計画前進〉との見出しで報じています。29年度末完成を目指すとのこと。記事には、宮城県気仙沼地方振興事務所提供の防潮堤イメージが掲載されていました。

鮪立防潮堤イメージ
三陸新報8月11日記事より

記事を一部引用します。

「 鮪立漁港周辺には海抜8.1mの防潮堤が整備される計画。昨年9月に堤防の高さについて住民側が合意した後、配置計画について住民側と意見交換してきた。

住民側は集落全体を防潮堤で囲んで上部に市道(小鯖鮪立線)を通すよう求めたが、県は先月12日の説明会で、居住区域だけを防潮堤で囲み、住家がない西側部分を無堤化する計画案を示した。県の計画案を採用すると無堤化部分の市道を低地に敷設せざるを得なくなることなどから、住民側は「考える時間が欲しい」と結論を持ち越していた。

この日(注:8月8日)の説明会でも県は前回と同じ計画案を示し、出席した住民約50人に再度理解を求めた。住民側は、無堤化部分の市道もなるべく高くすることなどを求めたものの、配置計画そのものへの反対はなく、満場一致で合意した。」(引用は以上)

私は防潮堤の完成イメージを見て、驚きました。海抜8.1mの高さもさることながら、壁面というか法面(のりめん)が傾斜していて底辺が広がり、全体として巨大なものになっています。上部からの視点で作成された完成図ですが、地面から見たらどんな感じでしょう。

一昨年12月に鮪立出身で気高同級生 鈴木修君が送ってくれた震災前と震災後の鮪立漁港写真をブログで紹介しました。当時の防潮堤計画高は9.9m。その後の地元との協議で2m近く低くはなったのですが。鈴木君のメールでは〈外から見ているので無責任なことは言いたくない〉と抑制しつつ、巨大な防潮堤計画に疑問を呈していました。この完成イメージを見ていると、それを故郷の風景を懐かしむ郷愁、センチメンタリズムとかたづけるわけにはいかないでしょう。

平成30(2018)年3月末までに防潮堤が完成したとき、〈こんなはずではなかった〉と言ってもすでに遅し。そのときには、巨大なコンクリートの堤が鮪立湾を取り囲んでいるのです。

2013年12月27日ブログ「鮪立の風景を思う」

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大島防潮堤再検討

土日の気仙沼みなとまつりは無事終了したみたいでなによりです。参加者、関係者の方々お疲れさまでした。ご苦労さまでした。

さて、気仙沼大島の小田の浜に計画されている防潮堤の工事内容が再検討されることになりました。河北新報が8月1日に伝えています。

河北 防潮堤

河北新報配信記事の一部イメージ(画像クリックでジャンプ)


配信記事を引用します。

<防潮堤>気仙沼大島の入札公告取り下げ

 宮城県が発注する気仙沼市の離島・大島での防潮堤災害復旧工事で、入札公告の取り下げを決めたことが31日分かった。環境省の「快水浴場百選」に選ばれている小田の浜の防潮堤計画をめぐり、地元住民から説明不足を指摘されたため。今後は住民と話し合い、工事内容を再検討する。

 県気仙沼地方振興事務所によると、工事は東日本大震災で被災した田中浜、小田の浜、への浜、温浜の4カ所の防潮堤を原形復旧する内容で7月17日に公告。条件付き一般競争入札で8月3日まで入札参加を受け付け、6日に開札の予定だった。
 県の担当者は、ことし2月に開かれた地元説明会で住民合意を得たと認識。入札公告をしたが、地盤沈下した小田の浜の防潮堤を原形復旧するには約1メートルの堤防高のかさ上げが必要で、地元から「防潮堤の形状に関する話し合いが不十分」と指摘を受け、公告の取り下げを決めた。入札関連はいったん見直す。
 同事務所農林振興部は「住民に丁寧に説明すべきだった。小田の浜の計画は時間をかけて住民と話し合いたい」と説明した。
 気仙沼大島観光協会の白幡昇一会長は「県の計画は砂浜に壁をつくるようなもの。小田の浜は大島の大切な観光資源なので、利用客に支障がないものを目指したい」と話した。(引用は以上)


この記事内容にはよくわからないところがあります。たとえば〈地盤沈下した小田の浜の防潮堤を原形復旧するには約1メートルの堤防高のかさ上げが必要〉という記述。それは高さ何メートルの防潮堤のことなんだろうか。

そう思っていたら、きのう8月2日の三陸新報の記事に記述がありました。〈既存の防潮堤の上に直立式のコンクリートで1mほどかさ上げし、海抜3.4mの高さにする〉。なるほど。

昨年、このブログでも紹介しましたが、2014年2月に、小田の浜と田中浜の防潮堤について、県は海抜11.8mの建設計画を見直し、小田の浜は3.5m、田中浜は3.9mの原形復旧にとどめる方針を示しました。河北、三陸新報の両記事では、県としては今年2月の地元説明会での住民合意が得られたと判断したとのことですが、この辺の確認が不十分なのでしょう。三陸新報によれば、小田の浜の防潮堤は延長473mにわたるとのことです。

なお、入札公告取り下げは、田中浜、小田の浜、への浜、温浜の4カ所です。この措置が大島のほかの地区に波及するのかどうか。大島の住民だけでなく、私たちも関心をもって見守りたいと思います。

2014年2月17日ブログ「大島防潮堤見直し」

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防潮堤説明会問題

気仙沼魚市場周辺の防潮堤について、県が6月8日に開いた説明会では、参加者から説明不足などが指摘され、整備についての合意は得られませんでした。6月29日のブログでその話を紹介した際に〈宮城県は北桟橋から朝日町付近までの約1.3kmを5mの防潮堤などで整備する計画です〉と書きましたが、具体的なイメージがわきにくかったと思います。本日は、私がブログを書くときに参照した情報を紹介します。気仙沼市議会議員の今川悟さんのホームページ記事。

今川議員ブログ
今川さんのHP記事画像(クリックでページにジャンプ)

今川悟議員ホームページ/6月9日配信記事

今川さんは6月9日配信の記事で、説明会で配布されたと思われる資料を紹介しています。冒頭の文章を引用します。

「宮城県が気仙沼魚市場周辺に計画している防潮堤(海抜5m)は、景観や利便性への影響が大きく、8日の説明会でも合意に至りませんでした。賛否が渦巻く防潮堤問題を通して、行政が主催する説明会の課題が浮き彫りになっています。求められているのは、「説明」ではなく「話し合い」です。」引用は以上。

内湾を含む気仙沼湾を囲む赤線や、河川沿いの青線を見て、気が重くなるのは私だけではないでしょう。

詳しくは今川さんのホームページを読んでいただきますが、気になる記述がありました。6月8日の説明会では7人からの質問はありましたが、今川さんが見る限り賛成意見はひとつもでなかったそうです。しかし、県側が「概ね了承したと判断していいでしょうか」と締めくくろうとしたので、騒然となったというのです。

これまでも、本吉地区をはじめ、説明会で疑問や反対の声があるにもかかわらず、強引とも思われる進行で合意が形成されたという報道がありました。6月8日の説明会で県の担当者が行ったことと同様のことが各地区で行われたことが想像されます。

県として計画を先に進めたいという気持ちもわかりますが、結果としては問題を複雑にして合意形成が遅れるのではないか。今川さんも先日の市議会で、説明会のていねいな進行を求めたようですが、是非より良い形での説明会にして欲しいと思います。

地元紙を読んでいても、最近の防潮堤計画の全体像が見えにくいように感じられましたので、本日のブログといたしました。東京にいる私が、現地情報に触れていないだけならよいのですが、念のため。

6月12日ブログ「三陸新報6月9日」
6月29日ブログ「港町の5m防潮堤」

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港町の5m防潮堤

6月10日に気仙沼で久しぶりに〈防潮堤を勉強する会〉が開催されたと、12日のブログでもお伝えしました。どんなことが話し合われたのだろうと思っておりましたら、6月27日(土)の三陸新報にこんな記事が掲載されました。

6月27日
6月27日三陸新報記事のイメージ

記事を引用します。

「気仙沼氏の市民有志でつくる防潮堤を勉強する会が26日、市内で計画されている防潮堤整備に関し、フラップゲート採用などを市に求めた。菅原市長は、港町地区での導入を県に働き掛けていることを明らかにした。
発起人メンバーを代表し、菅原昭彦さんと高橋正樹さんが市役所で菅原市長と面会。県管轄を含め、未合意地区での説明について、「合意形成の進め方が乱暴だ。少人数しか集まれない昼間に説明会を開いて合意したという方法をいまだにとっている」と批判した。
「防潮堤計画に反対ではない」とし、複数案を示しながら、丁寧な話し合いを進めることをあらためて求めた。
可動式のフラップゲートの導入については「合意が困難な地域で一つの打開策になるのではないか。フラップゲートという選択肢を出すことによって合意形成が進む可能性もある」と提案した。
これに対し菅原市長は、同会の考えに同調。港町地区で県が海抜5メートルの高さで計画している防潮堤について「出港岸壁は貴重な観光資源。少なくとも2メートル以上のフラップゲートを県に求めたい」と語り、みかけの高さを下げるよう求めていることを説明した。
フラップゲートは内湾地区で、余裕高分1メートルに採用することが決まっている。
25日の県議会一般質問では、気仙沼・本吉区選出の畠山和純氏が未合意地区への導入を求めたのに対し、村井嘉浩知事は安全性、確実性の展から否定的な考えを示した。」引用は以上。

記事中の〈港町〉は気仙沼市の地区名。高台にはホテル観洋などがあり、その下に出港岸壁が広がっています。そして5メートルの防潮堤というのは、港町から魚市場を経て、石油タンクなどがあった大川河口の朝日町まで計画されているのです。6月8日に県が行った魚市場周辺の防潮堤計画説明会では住民合意が得られませんでした。

菅原市長が、港町地区について〈出港岸壁は貴重な観光資源。少なくとも2メートル以上のフラップゲートを県に求めたい〉としたのは当然の反応だと思うのですが、これもあくまで当初の防潮堤高を前提にした話です。このところ、基本的な計画の見直しを求める声が高まっているように思うのですが、行政の壁の高さには変化が見られません。

6月12日ブログ「三陸新報6月9日」

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三陸新報6月9日

6月10日(水)に気仙沼で〈防潮堤を勉強する会〉が開催されたそうです。魚町・南町地区の内湾防潮堤の計画が一応の決着を見た後は特に大きな動きはなかったように思いますから、久しぶりの集まりだったのではないでしょうか。

気仙沼の防潮堤問題が、また動き出しているようです。たとえば、6月9日の三陸新報の一面はこんな感じでした。

6月9日三陸
三陸新報6月9日第1面のイメージ(クリックで拡大)

トップ記事は、気仙沼大島の浦の浜、磯草地区で宮城県が計画している防潮堤整備などについて住民、県、市が話し合う復興懇談会が発足し、初会合が6日に開かれたという内容。県は7.8mの防潮堤を計画していますが、住民から「事業の説明が一方的だと」との声が多く、懇談会が設置されました。懇談会は、菅沼副市長を座長に県、市、振興協議会や地元自治会、子育て世代からの20人で構成されているそうです。

その下には、気仙沼魚市場周辺の防潮堤について、県が開いた説明会では、参加者から説明不足などが指摘され、整備についての合意は得られなかったとの記事。県は、北桟橋から朝日町付近までの約1.3kmを5mの防潮堤などで整備する計画です。

そのまた左には、長島復興副大臣と県内首長意見交換という記事。宮城県の村井知事、気仙沼市の菅原市長も出席。菅原市長は、一部負担の対象事業となった気仙沼魚市場の事業費や、都市計画道路など5路線の整備費についても、対象から外すよう求めました。また、村井知事は、新規防潮堤に対する全額国負担の継続など5項目を盛り込んだ要望書を手渡したとのことです。

防潮堤に関連した記事が多いなか、一面左の記事は、南三陸町歌津で行われている防災集団移転事業の現地見学会の様子。入居予定者約60人が参加したそうです。〈完成のイメージも膨らみ、『いよいよ』という実感が湧いてきた〉とのコメントも紹介されています。

紹介した4つの記事が報じている内容はそれぞれが深く関連しているのでしょう。この6月9日の三陸新報1面を見て、気仙沼の復興にあたって各地域がかかえている複雑で微妙な問題の一端を感じることができました。それをお伝えしたく。

なお、このブログでの防潮堤関連記事は、パソコン画面では左側下部の「カテゴリ」から「防潮堤」を選択すると見ることができます。スマホの場合には、パソコンと同じ画面が見られる「PCビュー」にして同様の操作をするのが便利です。まずは念のため。今回の記事で「防潮堤」カテゴリの記事がちょうど100本目となりました。なんの記念にもなりませんが、たまたま気付きましたので。

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防潮堤見直し議論


先日紹介した5月25日の朝日新聞に続いて、6月1日(月)の河北新報に防潮堤に関する記事が掲載されています。

河北新報
和田正宗参議院議員のツイートから画像の一部を拝借


この記事は、河北新報オンラインニュースでも配信されています。2本の記事となっていますが、無料で読むことができます。見出しクリックで配信記事にジャンプします。

以下、長文となりますが、資料として配信内容を全文引用させていただきます。画像記事の見出しと、配信記事の見出しは異なっていますが、本文は同じです。


<復興費負担>防潮堤45%に新たな支出

 東日本大震災の復興事業に2016年度から地元負担が導入されると、宮城県沿岸に新設される防潮堤の約45%(事業費ベース)に新たな支出が求められることが分かった。事業規模が大きくわずかな負担割合でも地元の支出が多額となるため、今後の建設スケジュールに影響する可能性もある。県は防潮堤整備を地元負担の対象から外すよう政府に求めている。

 県によると、県と被災市町が管理する海岸に新設される防潮堤の整備費は総額1598億円に上る。財源には国の社会資本整備総合交付金と、農山漁村地域整備交付金を活用。集中復興期間内の15年度までに使う877億円は全額が国負担だった。
 政府の方針通りなら、16年度以降の整備費721億円の一部を地元が負担することになる。仮に1%の負担割合だとしても、7億円以上の支出を強いられる。
 村井嘉浩知事は復興事業に地元負担を導入する政府方針を容認しているが、防潮堤新設に関しては全額国負担を要求。5月26日の国の復興推進委員会では「地元負担が生じれば進行状況に差が出る。沿岸部のまちづくりに影響する」と述べた。
 特に新設工事の遅れが目立っているのが県管理漁港の防潮堤だ。事業費計685億円のうち15年度末までの執行率は39%程度にとどまる見通し。地元住民が反対したり、用地取得が難航したりするケースもある。
 気仙沼市内湾地区など14カ所では、新設事業と既存の防潮堤を改修する「災害復旧事業」を組み合わせて整備が進められる。災害復旧は16年度以降も全額が国費で賄われる見通しで、完成した防潮堤と未完成部分が混在するエリアが出現する恐れもある。
 宮城県沿岸で計画されている防潮堤の総延長は243.7キロに上る。(報道部・片桐大介)

<復興費負担>防潮堤計画 見直し議論再燃も

 復興事業費の一部を被災地に負担するよう求める政府方針を受け、宮城県が進める防潮堤整備計画の見直しを求める議論が再燃しつつある。計画に異議を唱える住民は「事業の優先度を再考すべきだ」として、地元負担を見直しのきっかけにしたい考えだ。
 石巻市雄勝町中心部では震災前(高さ4メートル)の倍以上の9.7メートルの防潮堤と河川堤防の整備が予定されている。大半は災害復旧だが、一部に新設もある。
 景観の悪化や環境影響を理由に異論を唱える住民団体「持続可能な雄勝をつくる住民の会」は6月、県に防潮堤の高さを震災前と同じに下げるよう求める要望書を提出する。
 会の代表で、中心部の自宅跡地でバラ園を営む徳水博志さん(61)は「復興予算の地元負担が議論される中、そこで暮らす住民が望まない計画は見直してもらえないか」と期待する。
 防潮堤をめぐっては県や被災市町が、2015年度までの集中復興期間内に事業化されるよう住民の合意形成を急いだ経緯もある。
 徳水さんは「巨大な防潮堤を造ればそれだけ整備費が掛かり、地元が背負う維持費も増す。見直しで浮いた費用を別の事業に使う方がいい」と訴える。
 無人島の耕作放棄地を保全する防潮堤整備が問題視された塩釜市浦戸諸島。県は無人島については最低限の補修や補強にとどめる方針に転換したが、有人の島と、向かいに位置する東松島市の計63地区は災害復旧として農地保全目的の防潮堤整備を進める。
 背後の農地の一部には耕作放棄地もある。周辺でワカメやアカモクを養殖する漁業赤間広志さん(66)=塩釜市=は「全ての防潮堤が必要なのか。地元負担が生じれば、重要な事業に予算が行き渡らなくなる恐れもある。事業の優先順位を洗い直すべきだ」と問題提起する。(報道部・丹野綾子)引用は以上です。


新聞記事の画像を引用させていただいた参議院議員の和田正宗さんのツイートでは、〈見直しを求める大きな声や、あまりにムダ事業で、財務省等を中心に政府が実質的に政策転換せざるを得なかったのではないかと。であれば初めから防潮堤の適正規模がどれくらいかや、本当にそこに必要なのか検討すべきだったはず〉と書いています。

5月25日の朝日新聞、6月1日の河北新報と、連続する防潮堤計画見直しについての報道。復興費用の地元負担という流れの中で防潮堤計画の見直しの話がとりあげられるのは、なんとも皮肉な話です。大元の財源は同じ税金でしょう。宮城県の村井知事は〈復興事業に地元負担を導入する政府方針を容認しているが、防潮堤新設に関しては全額国負担を要求〉しているそうです。これまでの経緯もあるのでしょうが、防潮堤予算に関し、そんなにりきむことなく全体の中での優先順位を検討して欲しいと思います。

私は、2013年8月のことを思い出しました。村井知事は気仙沼市が要請した内湾防潮堤の余裕高(1m)の引き下げに応じず、当時提案された浮上式防潮堤に対しても実験段階であることを理由に「私の目が黒いうちは絶対に採用しない」と否定したのです。「私の目が黒いうちは」。なんでそんなに強硬なのかと不思議でした。

防潮堤に関しては、これからも新しい動きがあるでしょう。4年たって、やっとか。あるいは、4年たったからか。正直な話、よくわかりません。

2013年8月9日ブログ「県知事の強硬姿勢」

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膨らむ防潮堤予算

きょうから6月。新しい月が始まりました。本日は、先週の月曜日5月25日の朝日新聞に掲載された〈膨らむ防潮堤予算 苦慮〉という記事を紹介します。

朝日新聞
2015年5月25日付け朝日新聞朝刊記事の一部イメージ

朝日新聞デジタル5月23日配信記事

人件費の高騰や当初の見積もりの甘さなどで、被災地の津波対策予算が膨らんでいますが、一部では地元の意見を反映し、防潮堤の高さを低くしたり、防災林での代用など、予算を節約する動きも出始めたというのです。来年度から地元も費用負担を求められるなか、こうした動きが加速しそうだとしています。記事は、朝日新聞デジタルで読むことができますが、以下に引用させていただきます。

◎膨らむ防潮堤予算、苦慮
◎被災地 高さ低く防災林で代用

■ 工事費が急騰

 国や3県は、壊れた防潮堤を「数十年から百年に1度の津波」に耐えられる強靱なものへと造り替えることをめざしている。復旧費は2011年度末時点で7800億円と見込んでいたが、直近の調べでは約9千億円に増えた。浸水被害の大きかった防災林も当初の約2倍の1600億円に及ぶ。

 宮城県気仙沼市の中島海岸(小泉地区)で、県内では最大級となる高さ14.7メートルの防潮堤の整備が進んでいる。隣接する河川の堤防を含めた総事業費は当初より6割増えて356億円。復興工事の集中で工事費が急騰している。「人件費は1.4倍、コンクリート費は2.4倍に上がった」と気仙沼土木事務所は話す。

 一方、この4年間で多くの住民は海岸から高台に移った。小学校教諭の阿部正人さん(48)は「地元でも守るべきものがないと批判の声がある。計画を見直すべきだ」と訴える。

 中島海岸から約80キロ離れた東松島市の大曲浜などの海岸では防潮堤と防災林の復旧工事がダブルで進む。11年の大津波では、100ヘクタールの国有林を含む大部分の防災林が浸水した。

 復旧予算は今春段階で209億円と当初の約2.4倍になった。林野庁によると、盛り土の単価の高騰が響いている。工事用の土(1立方メートル)は震災前1350円だったが、今は2500円程度。被災地で一斉に盛り土工事をしているため、各地で予算が膨らむ。

■ 地元負担考慮

 国は「復旧を急いだため事前調査に時間がかけられなかった」として、膨らんだ復旧費は16年度以降も全額を負担する。しかし、被災地は地元の判断で、予算を効率的に使おうと動き始めている。

 宮城県気仙沼市の小田の浜では高さ11.8メートルの防潮堤計画が浮上した。だが、観光業者から「景観が損なわれる」などの反発が出たため、防災林を増やして津波に対応することになった。数十億円だった事業費は半分以下になるという。

 石巻市の尾崎地区では高さ8.4メートルに引き上げる計画が地元住民との話し合いで、震災前の2.6メートルに戻す方向になった。自治会の神山庄一会長(61)は「故郷の美しい景観はかけがえのない財産で、次世代に残すことは私たちの責務だ」。

 一方、総額2300億円とされる新たに造る防潮堤の整備費には数%の地元負担が生じる方向となった。気仙沼市の担当者は「地元負担を考えると、ほかでも計画変更の議論が出てくる可能性がある」とみる。

 ただ、節約分を別の用途に回すのは、現行の予算制度では難しい。気仙沼市議の今川悟さん(40)は「節約分をニーズのある避難道路などに使えれば、地元の議論が活性化する」と制度の見直しを主張する。(菅沼栄一郎、加藤裕則、座小田英史)(記事引用は以上)

記事の最後に気仙沼市議会議員今川悟さんが語っているように、復興費用の全体枠を地元の優先順位にしたがって配分するように制度の見直しができないものでしょうか。はがゆい思いがつのるばかりです。

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小泉防潮堤着工へ

きのう12月18日のブログで、今川悟市議の本吉町野々下地区の防潮堤に関するHP記事を紹介しました。そしてその後に三陸新報(デジタル版)を見たら、そこにも防潮堤の記事。県議会で、行政側と住民側とで様々な議論があった本吉町中島海岸防潮堤の工事契約議案を可決という記事でした。

中島海岸防潮堤
2014年12月18日三陸新報記事の一部イメージ

これによって、今年度内の着工が確実となりました。記事を引用します。

「12月16日に開かれた県議会で、気仙沼市本吉町小泉地区に計画されている中島海岸防潮堤(海抜14.7m)、津谷川左岸河川堤防の工事請負契約締結についての議案が、可決された。これによって防潮堤工事が着手される。工事は、約122億円で五洋建設など3社の共同企業体(JV/ジョイントベンチャー)が、防潮堤と一体的に整備する河川堤防は約35億円で竹中土木など3社のJVがそれぞれ請け負う。工期はともに平成30年3月23日までで、本年度内に着工する。」引用は以上。

本吉町での防潮堤計画はいくつかあり、昨日のブログでの写真は野々下地区(海抜9.8m)、上記の防潮堤は中島海岸で海抜14.7mです。この高さは県内最大となります。これまでの報道で、〈中島海岸〉という名称があまり出ておらず、私自身もちょっとわかりにくかった。

今年10月には入札手続きが始まっていましたから、この流れは既にわかっていたことですが、県議会での決議で着工確定ということになりました。

宮城県としては、昨年11月の住民説明会で合意が得られたという立場。しかし、今年7月の住民説明会では、防潮堤の是非論が再び議論されたといったことがありました。この経過については下記のふたつのブログで少し書きました。

〈ただやみくもに反対しているわけではない〉という姿勢で計画の再検討を願っていた関係者の方々の心情を思うと、あらためて複雑な気持ちがいたします。外野からの物言いで恐縮ですが、なんとか、防潮堤計画をめぐっての意見の衝突が今後の禍根とならないようにと思うばかりです。

10月21日ブログ「小泉地区の防潮堤」
10月23日ブログ「防潮堤計画着々と」

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防潮堤の下の岩場

気仙沼市の市議会議員今川悟さんのホームページは以前も紹介しましたが、12月10日の記事に防潮堤に関する気になる記事がありました。気仙沼市につくられている防潮堤の「水際のイメージ」が、説明会で思い描いていたものと違うというのです。

水際のイメージ
今川悟議員HP記事一部イメージ

今川悟議員HP12月10日記事内容

上で紹介した記事の画像は、本吉町野々下地区で完成した防潮堤(海抜9.8m)です。海側に岩場が広がっていますが、住民の多くは防潮堤の下は海になると思っていたようです。

この岩場は、工事のための「仮設堤防」に使った岩なのだそうです。海の中の地盤工事では波を防ぐための「仮設堤防」を沖に設置しますが、防潮堤完成後にはその堤防に積んだ岩を陸上に撤去するのは難しく、海側でならすのが一般的とのこと。その結果、新しい岩場が出現したというわけです。説明会での資料に図面は示されているのでしょうが、こうした岩場出現の可能性についての説明が不十分であるようです。

詳しくは今川さんのホームページをご覧ください。ちょっとややこしい話ですが、防潮堤関連の資料記事ということで紹介しました。

同じ今川さんのホームページ12月13日の記事では、「防潮堤説明会。ついに「模型」登場!」と題して、気仙沼魚市場と「海の市」の間につくる海抜5mの防潮堤の説明会が、模型を使って行われたことを紹介していました。担当の宮城県気仙沼地方振興事務所の水産漁港部がいろいろと工夫したようです。こちらの記事もあわせてお読みいただければと。

防潮堤の計画においては、最初の説明がていねいに行われないと、その後にかえって面倒なことになることがあるようです。いろいろと大変でしょうが、行政からのていねいな説明と住民との充分な議論がなされるようにと願っております。

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プロフィール

気中20回生支援会

Author:気中20回生支援会
東日本大震災で被災した気仙沼中学校第20回卒業生(1967年3月卒/65~66歳)たちを支援する首都圏在住同級生を中心としたグループです。魚町出身東京在住の3年8組小田が書いています。

twitter:@kechu20

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